「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み
排便の調節がうまくいかず、便秘と下痢の両方が繰り返し起こり、悩んでいる。
14 件の体験者の声があります。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)便が出にくく下着を汚す。便秘と下痢であまり外出できない。
- (患者本人、不明、男性、胃、2003年版)術後1年経過し、検便・採血には異常はないが、便秘や下痢が多くなり、腹部に異常がないか心配している。
- (患者本人、60代、男性、大腸、2003年版)元々排便についてはすこぶる良好だったが、術後は下痢と2~3日でにくい状況の繰り返しで、現在でも腹の調子の悪さに悩んでいる。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)手術後、便通をよくするため1日3回の通じ薬をもらったが効きすぎて1日10回以上の排便で便を漏らすことがあった。医師や看護師に聞き、服用回数や量は個人差があるため、本人の判断で量を調節することだということがわかった。1月の寒い時期に退院、排便回数も8回以上と多く、真夜中の場合もあり、風邪から肺炎を併発したが無事快復。その後通じ薬も弱い処方に変えたり、漢方薬を使用したりし、軟便と下痢と便秘の繰り返しを重ね、排便1日5回になった。
- (患者本人、20代、女性、大腸、2003年版)排便コントロールがうまくいかず、体力低下もあり社会復帰できないのではないかと不安だった。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)食欲があり食べ過ぎると下痢をし、次の日は便秘とそのコントロールが難しい。
- (患者本人、70代、女性、胃、2003年版)少しでも多くは食べられず、下痢や便秘で悩んだ。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)食事のとき胃がつかえた感じになり、排便のとき下痢と便秘に悩む。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)今は食事を少しずつ食べ、胃の中に食物が入れば違和感があり、下痢をしたり便秘をしたりするのが大変だ。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)食後の圧迫感。手術前に比べて便秘と下痢の繰り返しが続いているが、仕方のないこととあきらめている。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)足の腫れ、食事が少ししか入らず、下痢や便秘の繰り返しで少し不安だったが、医師に仕方ないので心配しないよういわれ、そのままにしていたら少しずつ良くなったように思った。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)便秘と下痢に悩む。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)下痢と便秘に悩む。
- (患者本人、60代、男性、大腸、2003年版)便秘、下痢、血便等に悩む。
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【自分の食生活と排泄の習慣を把握する】
排便の調節がうまくいかない理由には、(1)胃、大腸などの消化器の手術によって消化機能などが低下したとき、(2)抗がん剤治療による消化器症状、などがあります。
頑固な便秘の場合、固い便がふたをしてしまって下剤でやわらかくなった便が上から押してもなかなかふたがとれずにどんどん下剤をのんでしまうことがあります。そうすると、ふたがとれたとたんに下痢になってしまいます。また、手術によって消化機能が落ちてしまい、以前だったら下痢にはならないような食品で下痢してしまうこともあります。
まずは、しばらく自分の食事日記、排泄日記をつけてみましょう。どういう食事、食品を食べたときに便秘や下痢をしやすいのかがわかれば、そういう食品を控えるようにしてみてもよいでしょう。
【基本的な注意点】
基本的な注意点には以下のような事柄があります。当たり前のことかもしれませんが、当たり前のことを生活のなかに取り入れ習慣づけることが大切だと思います。
◎ 食事は規則正しい時間に、腹八分目(術後であれば7分目くらいでも)
不規則な食生活は、便秘や下痢の原因になります。特に、胃や大腸の手術後は、腸閉塞にも気をつけなければいけませんし、術後の合併症にも注意が必要です。
◎ 消化の良い食品を時間をかけて食べる
消化のはたらきが落ちているときには、はたらきを助けながら胃や大腸に負担をかけないようにする必要があります。
◎ あまり気にしないようにする
下痢や便秘は、ストレスや不安も影響します。激しい腹痛を伴ったり、おなががはって苦しかったり、吐き気を伴ったり等がなければ、あまり気にしないようにしてみましょう。2-3回の下痢があってもそれが普通という人もいます。ただし、便の量は気をつけて確認しましょう。また水のような下痢が頻繁に続くときには脱水にも注意しなければなりません。
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