「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
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悩み
食事を思うように摂れず、体重が減ったまま戻らないことに悩んでいる。
30 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)胃全摘後、食べることに苦戦、時々拒否反応(腸内消化液嘔吐)があり、これによると思われる体重の減少。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)手術後体重が増えないことが心配。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)食欲はあるが食べられず、体重が増えない。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)手術後は順調に回復したが、胃がんで体重が増えず、仕事は今まで通りできるのか。満3年経ち子どもも就職して一安心だが、元の体に戻らないのか。情けない。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)食事が思うように摂れないので、体重の維持が大変(現在165㎝、55㎏)。食後すぐに大便を催すこと等があるが、これらは後遺症のため仕方ない。年数を重ねることで良い方向になると思っている
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体重が減り、一向に増えない。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体重が戻らない。治療前60㎏、現在50㎏。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)食事が十分に摂れないので、体力が回復せず、体重も増えず、風邪等他の病気にかかった場合の心配。骨折の心配
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)仕方ないことだが、食事の逆流。減少した体重の戻りが遅い。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)体重が10㎏減ってなかなか元に戻らない。トイレ(大便)が不規則になっている。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)逆流性食道炎。胆石症。体重が戻らない(術前59㎏、現在52㎏)
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)食事が順調に進まず、すぐ胸につかえておりるまで時間がかかる。元気なときより15㎏痩せた。少しずつ太りたいのが悩み。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)体重減。食事
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体力、もしくは体重が増えてくれればと願う。
- (患者本人、50代、女性、悪性リンパ腫、2003年版)胃がなくなって、とにかく食欲もなく何を食べてもまずくて、毎日体重は減少するばかりでどうなってしまうのだろうという不安があった。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)体重がなかなか戻らない。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)色々な物が未だ食べられない。体重の減り、限界にきているが少しでも太れないのが悩み。1~2㎏だけでも太りたい
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)体重の減少。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)食欲がない。体重が増えない。
- (患者本人、不明、不明、胃、2003年版)体重が8㎏減り一向に増えない。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体力の回復。体重の変化。4㎏から5㎏の減りはいつ頃回復するのか。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体力の回復と体重の減少。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)手術後はや1年が経過したが、特に朝食が喉に詰まり、そのため食事が進まず、苦しみ悩んでいる。手術時72㎏だった体重が現在では55㎏に落ちている。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)食事中詰まり、下痢、便秘、体重が全然増えず、この先何年も今のような毎日が続くのかとても不安。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体重の減少、下痢、栄養不足、喫煙が原因と考えられる。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)体重が減ってきた。68㎏から50㎏まで減った。55~57kgくらいになりたい。
- (患者本人、70代、女性、胃、2003年版)手術で8㎏痩せる。食べ過ぎると苦しくなり、冷や汗が出て横になって休むということを繰り返した。そのうち息切れがして、歩いても仕事をしても根気がない、顔色が悪い。貧血で悩んだ。10年間は辛い年月だった。今は腰痛以外元気になった。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)昭和63年の頃、治療したはずなのに、不快さと後遺症(ダンピング、低血糖、下痢)、太れないことに、今では慣らされて諦めて共存。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)食事が食べられなくて便が出にくいので、毎日が不安である。少し食べても詰まって吐いてしまうので、体重が全然増えない。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)術後ほとんど食事が摂れず、下痢、腹痛、体重減。
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【食事をするうえでの基本的なコツ】
胃の手術後、残った胃がだんだん大きくなって元通りになったりするわけではありません。胃が小さくなったりなくなったりしたぶん、胃が行っていた消化や吸収を小腸など他の消化管でおぎなうことになりますが、以前よりはそのはたらきは低くなります。だからこそ、少しでも消化吸収を助け、栄養をとっていけるように、食習慣を変更していかなければいけません。
胃を切ったことでこれまで胃が行っていたはたらきが低下して起こる様々な症状(胃切除後症候群)には注意が必要ですが、基本的には、食事の種類や内容に関しては特に制限はありません。ただし、以下の3点は基本的な事柄として続けていきましょう。
◎ よくかんでゆっくり食べる
胃の手術をすると、胃のはたらきをどこかで補っていかなければいけません。よくかむことで、食べ物は細かくなり、また唾液で消化も助けます。
◎ 1回の食事量を減らして回数を多くする
胃を切ったことで胃は小さくなりますから、つめこみすぎれば苦しくなります。そこで、1回の量を減らして回数を多くする必要がでてきます。最初は、3回の食事と3回の間食という6回食が目安ですが、3ヶ月を過ぎてくると、少しずつ1回の量を増やして間食の回数を減らしていけるかもしれません。ただし、1回に食べられる量、食事回数を減らす時期などは個人差があります。自分にとって適当な1回量をみきわめていくのはあなた自身です。また食事回数を減らしていくのも、1回の食事量とあわせて徐々に行っていきましょう。
◎ 食事は規則正しい時間に食べる
消化を少しでも助けるために、規則正しい時間に食べることは大切です。
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