「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み

何度か腸閉塞状態を繰り返し、そのたびに嘔吐や腹痛などに苦しめられ、つらい。
10 件の体験者の声があります。

助言

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【腸閉塞を起こしにくくするために】

腸閉塞(イレウス)というのは、小腸や大腸の内側が何らかの原因でふさがってしまって、食べ物やガスなどが通らなくなった状態を言います。腸閉塞は、大きく機械的イレウス、機能的イレウスに分類されます。
機械的イレウスは、腸が狭くなったりつまったりして起こります。一方、機能的イレウスは、腸を支配している神経の障害で腸の動きがわるくなり、腸の中にある内容がそこにとどまってしまうものです。
開腹手術をすると、腸同士や腸と腹壁がくっつく癒着が起こり、この癒着した部分を中心に腸が曲がったりねじれたり、ほかの腸が圧迫されて腸がつまることがあります。
腸がつまると、腸の中に消化した食べ物やガスがたまって動かなくなり、おなががはったり、腹痛、吐き気やおう吐などが起こります。
何度も腸閉塞を起こす場合、手術の影響で腸の一部が狭くなっていてつまりやすくなっていることも考えられます。

たとえば、大腸がんの手術後、原則的には食事の制限はありません。けれども、腸閉塞を繰り返したりするようであれば、食事に関してもいくつか注意しましょう。

食事に注意していても腸閉塞を完全に防ぐことはできませんが、できるだけ起こしにくくすることには役立ちます。
注意する点は、
◎消化が悪いもの、脂っこいものはできるだけ控え食べ過ぎないようにすること
消化が悪いものには、きのこ、貝類、ナッツなどがあります。脂っこいモノは、天ぷらとか唐揚げなどです。
◎消化を助けるためによくかんで食べましょう
◎不溶性食物繊維を多く含む食品は控えましょう
食物繊維は、大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維にわかれます。不溶性の食物繊維は繊維自体が水にとけず、水を多く吸収してふくらんでなかなかでてこなかったりしますから、控えるようにしましょう。不溶性食物繊維を多く含む食品は、豆類(豆腐はかまいません)、ごぼうなどの野菜、きのこ類などがあります。

おなかが痛くなったり、腸がぐるぐる動く感じがしたり、げっぷが多いなど、“おなかの調子がいつもと違う”、“おなかが何となく変だな”と感じたら、食事を抜いたり食事の量を減らしてみましょう。症状が続いたり、吐き気やおう吐を伴う腹痛があるときは、病院を受診しましょう。


 

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