「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み

胃切後、ダンピング症候群(低血糖、脱力感、めまい、息苦しさ等)に悩まされ続けた。
22 件の体験者の声があります。

助言

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【ダンピング症候群はどのように起こるか】

本来、胃は、食物と胃液を混ぜて粥状にし、食物を貯めて、徐々に小腸に送り出す働きをしています。
ダンピング症候群は、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こります。
食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられます。

○ 早期ダンピング症候群
食物が腸に急速に流れ込むことで起こります。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感などです。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もあります。
(なお、食道がんの手術でも、食道を再建するために、胃や小腸の一部を使って食べたものの通り道にすることがあります。通り道が変わることで、食べたり飲んだりしたものが急速に流れ込み、ダンピング症候群が起こりやすくなります。)

○ 後期(晩期)ダンピング症候群
食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。これに反応してインスリンという血糖を下げるホルモンがたくさん分泌され、逆に低血糖になって起こります。
症状としては、食後2~3時間たって、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。


 
【胃切除後の食事の注意】

○食べ過ぎに注意し、一回量は控えめにしましょう。間食を上手に利用しましょう
○よく噛んでゆっくり食べましょう(1口30回、1食30分くらいを目標にしましょう)
○少量でも栄養価の高い食材を選びましょう
○バランスのとれた食事を心がけましょう
○早期ダンピング症候群の予防には、糖質の少ない食事をとり、食事中の水分摂取も控えましょう
○後期(晩期)ダンピング症候群の低血糖症状がみられたときは、あめや氷砂糖などを摂りましょう

“食べると苦しくなる”“食べる義務”と強く意識したり、焦ったりせずに、気持ちにゆとりをもって食事をしましょう。


 

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