「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み
胃切後、ダンピング症候群(低血糖、脱力感、めまい、息苦しさ等)に悩まされ続けた。
22 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、女性、不明、2003年版)腸閉塞。ダンピングに苦しんだ。
- (患者本人、60代、女性、不明、2003年版)時々ダンピングが起きることがつらい。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)手術すると治るといわれたが、後遺症としてダンピング(早・遅)が未だに治らず、死ぬまで覚悟している。幸い詳しい検査でクリアしたが、肝臓・子宮体部・脾臓など検査で引っかかり、不快な思いをした。
- (患者本人、70代、男性、食道、2003年版)排便した後ダンピング症状になり、めまいや空腹のような症状が時々出る。また、食事に時間がかかり、そのあとすぐ動けない。これらを早く治したい。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)胃の全摘後、2年位は食事が大変であった(特に外食)。現在でも食後はダンピングで悩んでいる。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)夜食べ過ぎたとき、たまに食道へ逆流することがある。低血糖になることが月1~2回ある。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)術後、低血糖、動悸、発汗、手足の冷えなどある。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)食事が治療前の半分程度で時々ダンピング症状が起きる。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)術後はダンピング症状に悩んだ。
- (患者本人、60代、女性、胃、2003年版)二度続けて(2ヶ月後)手術した。ダンピングと低血糖による虚脱感があり。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)手術が成功して退院後しばらくの間は、油気のある食事をするたびに逆流現象に悩まされたことが1番の辛さと悩みであった。また、ドロップ現象による冷や汗も辛いことであった。現在はこれらの悩みはほとんどなく、感謝している。
- (患者本人、50代、女性、子宮、2003年版)胃切除の後に起きるダンピング症状について頻繁ではないが不安になる。
- (患者本人、30代、女性、胃、2003年版)抗がん剤を飲み始め、副作用があったり、食事ができなかったり、ダンピング症状があったり、熱が出たりなど、体が思うようにいかないことへの苛立ち。
- (患者本人、50代、男性、食道、2003年版)低血糖、小胃症状などが出て何回か心配になった。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)低血糖、逆流への対処に悩む。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)胃、食道を全摘出したので、飲食が不自由である。ダンピングによる体調不良に悩んだ。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)後遺症(食道炎、ダンピング等)。
- (患者本人、50代、男性、胃、2003年版)後遺症にとても悩んだ。胃全摘のため、食べ物が食道から入らなくなり、再手術した。ダンピング症状等相当悩んだ。
- (患者本人、70代、女性、胃、2003年版)手術で8㎏痩せる。食べ過ぎると苦しくなり、冷や汗が出て横になって休むということを繰り返した。そのうち息切れがして、歩いても仕事をしても根気がない、顔色が悪い。貧血で悩んだ。10年間は辛い年月だった。
- (患者本人、60代、男性、胃、2003年版)諸々のダンピング症状やケロイド状になった傷の痛み、体力や免疫力の低下、体重の低下(10㎏)などに悩んだ。
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)治療したはずなのに、不快さと後遺症(ダンピング、低血糖、下痢)、太れないことに、今では慣らされて諦めて共存。
- (患者本人、70代、男性、胃、2003年版)一度に多く食事できない。少しでも量が多いと、前期ダンピングを起こし、横になって苦しみを忍ぶが、かなり苦しい。いつまでダンピングが続くのだろうか。
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【ダンピング症候群はどのように起こるか】
本来、胃は、食物と胃液を混ぜて粥状にし、食物を貯めて、徐々に小腸に送り出す働きをしています。
ダンピング症候群は、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こります。
食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられます。
○ 早期ダンピング症候群
食物が腸に急速に流れ込むことで起こります。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感などです。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もあります。
(なお、食道がんの手術でも、食道を再建するために、胃や小腸の一部を使って食べたものの通り道にすることがあります。通り道が変わることで、食べたり飲んだりしたものが急速に流れ込み、ダンピング症候群が起こりやすくなります。)
○ 後期(晩期)ダンピング症候群
食物が腸に移動し、短時間で吸収されるため、一時的に高血糖になります。これに反応してインスリンという血糖を下げるホルモンがたくさん分泌され、逆に低血糖になって起こります。
症状としては、食後2~3時間たって、頭痛や倦怠感、冷汗、めまい、手指のふるえなどが現れます。
【胃切除後の食事の注意】
○食べ過ぎに注意し、一回量は控えめにしましょう。間食を上手に利用しましょう
○よく噛んでゆっくり食べましょう(1口30回、1食30分くらいを目標にしましょう)
○少量でも栄養価の高い食材を選びましょう
○バランスのとれた食事を心がけましょう
○早期ダンピング症候群の予防には、糖質の少ない食事をとり、食事中の水分摂取も控えましょう
○後期(晩期)ダンピング症候群の低血糖症状がみられたときは、あめや氷砂糖などを摂りましょう
“食べると苦しくなる”“食べる義務”と強く意識したり、焦ったりせずに、気持ちにゆとりをもって食事をしましょう。
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