「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
悩み
定期検査を受けていたのに発見されずに、がんになってしまったことが残念だった。
12 件の体験者の声があります。
- (患者本人、60代、男性、前立腺、2003年版)定期的にT-PSA検査をしていたにもかかわらず、前立腺腫瘍にかかってしまった。
- (患者本人、60代、女性、大腸、2003年版)毎年定期的に検診を受けていたのに、開業医での検査中に、これはだめだと言われ、頭の中は真っ白になったが、主人に電話して来てもらい気持ちが落ち着く。両親が92歳までの長生きで、その遺伝子があると思っていたので、自分が何か悪いことをしたのかと恨む。いろいろ考えて、手術するれば少しでも生きながらえることができるならと覚悟し、1ヶ月後に国立病院で手術をした。
- (患者本人、50代、女性、肺、2003年版)年1回の健診は受けていて、昨年異状が無かったのにどうして、となかなか信じられなかった。初期なら簡単な手術で済むと思う一方で、仕事の都合で忙しくなる時期を目前に、早く良くなり仕事ができるかどうかを案じた。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)早く診察を受ければ良かった。ただし血液検査は月1回位実施していたが、わからなかったので残念である
- (患者本人、50代、女性、胃、2003年版)毎年、健康診断を受けているのに、なんでなかなか発見できなかったんだろうと思った。
- (患者本人、60代、男性、食道、2003年版)20年以上前からがんの定期的検査を受けていた(うち精密検査3回、県立がんセンター2回、地元大学病院1回)のに10年以上前に発がんしていたと説明を受ける。自分の人生は終わった、身辺の整理、遺書の準備などを行い、入院2日前までに遺稿をまとめ、手術中に死亡したら出版社に送るよう妻に依頼した。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)10年以上も毎年検診を受けていて異常がなかったのにどうしてだろう、何が原因なのだろうと悩む。手術への不安、乳がん以外のがんが見つかるかもしれないという不安。入院後の夫の生活、両親のこと、結婚1年の娘のことが心配だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)近所の病院で健康診断を受けていたにもかかわらず、がんを見落とされたので他にも転移しているのではないかと不安だった。実際、脇のリンパに転移があり、抗がん剤を打つことになった。
- (患者本人、70代、女性、子宮、2003年版)子宮頸がんと言われた時は、頭が真っ白になり、何を言われているのかが分からず、ただうなずいて聞くだけだった。その前10年間も検診を受けていたのでまさかと思った。最初は老人性膣炎と言われ、そのつもりでいたのが、手術も難しいと言われた時は人には言えない位、悩んだ。でも検査をしていたから見つかるのが早かったと言われ、それもそうかと決心して手術にかけた。
- (患者本人、70代、男性、腎臓・副腎、2003年版)12年前に肝臓がん(疑い)の検査入院にて良好の結果を受けた。その後毎年レントゲン、肺その他、血液検査も良好だったが、平成14年4月、肺のレントゲンにてがんと診断され、毎年(数回)の検査は何のためだったのか、と悩んだ。
- (患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)PSAの数値が高い(12から13)と言われ、年1回生検を実施。6年目にしてがん細胞が発見された時、他部への転移を恐れた。また、どうして発見が遅れたのだろうかと検査に疑念を持った。
- (患者本人、30代、女性、乳房、2003年版)なぜ定期検診から半年もたってからがんがわかったのか。なぜ医療機関へ通っていたのに発見されなかったのか。再発、転移と、とにかく何が何だか分らない状態だった。やっと合格した大学へ行けるのか。
助言
自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
【人間ドックや検診について】
この検査をすればすべてが分かるというものはなく、どの検査にも限界があります。ですから、人間ドックや検診を受けることで、がんが100%見つかるわけではありません。しかし受けずにいたら、もっと進行してから見つかったかもしれません。人間ドックや検診も決して無駄ではありません。
【これから先のことを考える】
病気がわかり、これから治療をしていく中で、様々なことが起こると思います。あの時のあれがいけなかったのではないかなどいろいろな思いや後悔が残ることもあります。これらの思いは、なかなか整理がつかないものだと思います。ただ、こういった思いや後悔は、過去のことへの振り返りであり、現在の状況を変えるものではありません。過去を悔やむよりも、気持ちを切り替えるようにしましょう。大切なのは、今自分にできること、まずこれから自分はどうしていったらよいのか、具体的な目標を立ててがんと上手に付き合っていくことだと思います。
ご意見・ご感想
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。
【がん相談支援センター】
お困りごとやご相談がある方は、
●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談」
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
●静岡県外の方は、
お近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
にご相談ください。