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がんの治療は長期になることもあるので、担当医との信頼関係は大切です。
自分の担当医が、専門医や認定医の資格を持っていたり、本や雑誌で紹介されたりすることは、あなたの安心につながるかもしれません。病院を変わる際など、ホームページや図書館、書店で調べて、どの医師にかかるか考えてみるのもよいでしょう。
ただ、こういった条件は、信頼関係を作る上で決め手になるとは限りません。資格をまだ取っていなくても実力のある医師はいますし、名医と評判の医師でも相性のよしあしはどうしてもあります。
もう一つ、とても重要なことは、信頼関係は、医師の側の条件だけで生まれるものではなく、あなたと医師がコミュニケーションを通じて作りあげていくものだ、ということです。
信頼関係を作りあげていくためには、あなたの側からもできることがたくさんあります。
まずは相手を信用すること、そして、相手の欠点ではなく、よいところを見つけていこうとする気持ちが、信頼関係を築くための近道となります。
逆に、最初から医師を信用せず、隠しだてをしたり、試したりするようなことをすれば、それが医師の方にも伝わり、結果的に信頼関係を作りあげていくことが難しくなります。
不安や不満だけでなく、感謝やうれしい気持ちを伝えることも、信頼関係を作りあげるうえで大切なことです。
医師の話を聞いて“納得できた”と思ったり、自分が“支えられた”と感じたりしたら、その気持ちを、メモや葉書で伝えてみてはどうでしょうか。
あなたの悩みの背景には、担当医の発言で気になるところがあったり、気持ちのすれ違いを感じたりした体験があるのでしょうか?
医師との信頼関係を築くためには、時間とエネルギーが必要です。たった一つの出来事や言葉のすれ違いがあったために、それまで築いてきた担当医との信頼関係を崩してしまうのは、もったいないことです。
ただ、だからと言って、『何か気になることがあっても、不満は言わず、黙ってがまんしたほうがいい』ということではありません。
むしろ逆に、本当の信頼関係は、本音を伝えあうコミュニケーションの中から築きあげていくものです。
担当医の診療について何か不満な点があれば、溝が深まる前に、「そういう言い方をされると、傷つきます」、「ちょっと行き違いがあるようなので、説明させてください」と、自分の気持ちをはっきりと伝えていくことも大切です。
場合によってはすぐに対応を取るのは難しいかもしれませんが、医師からきちんと説明を受けることができれば、すれちがいを解消したり、歩みよりの余地を見つけたりすることができるはずです。
もし、担当医に直接伝えるのは気おくれする、ということであれば、その病院の『相談支援センター』や『医療相談室』で話をしてみることをお勧めします。
相談員は、あなたの意見にきちんと耳を傾け、必要があれば助言をくれたり、何らかの調整を働きかけてくれたりするはずです。
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