自分の助言集をつくる
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患者さんであるあなたは日頃から担当医とのコミュニケーションの中で、病気や治療に関しての説明が十分ではないと感じていたのかもしれません。その上、自分ではなく家族に、自分が聞いている以上の、あるいは自分が知らない内容の説明があったことを知ってしまい、そのことがこころの隅にひっかかっているのではないでしょうか。ひっかかりを残したままでは、担当医ともご家族とも、どこかぎくしゃくした感じを残してしまうことになります。
今後のことを考えると、どこかで、このひっかかりを取り除くことが大切だと思います。
『主治医との信頼関係が疑問』と書かれていますが、もしかしたら、信頼関係を損なうような出来事と感じていることは、ちょっとした気持ちの行き違いだったり、お互いの言葉足らずが原因なのかもしれません。
担当医には、あなたが思っていることを率直に尋ねてみましょう。また、「気遣ってくれた気持ちは嬉しい。でも自分の体のことだから自分で知っておきたい。病状や治療についての説明は、自分と家族が一緒の席で話してほしい。家族にも、自分の気持ちをきちんと伝えます。」と伝えてみましょう。
思いを素直に口に出すことは、誤解を解いたり、相手との関係をより良い方向にもっていくための大切な第一歩です。その際、今まで抱えていた相手に対するマイナスの感情を、そのまま言葉にしてしまうと、相手も感情的に反応してしまったり、自己防衛する対応をしてしまいます。伝える時には、たとえマイナスな感情を抱いていたとしても、まず今の自分の意思を感情的にならずにきちんと伝えましょう。
ご家族に対しても、同様です。もしかしたら、ご家族が、担当医に本人への告知をしないでほしいとお願いしたのかもしれません。けれども、家族内に内緒事をつくると、お互いのコミュニケーションをぎこちなくさせてしまう結果になってしまいます。患者さんにとって本当の気持ちを、家族内で口にできなくなり、お互いがつらくなってしまいます。
ご家族に対しても、「気遣ってくれた気持ちは嬉しいけれど、自分の体のことだから自分で知っておきたい。先生の話は、一緒に聞いてみんなと考えていきたい。」と素直にお話してみましょう。
できれば、別々に説明を受けるよりは、ご家族と一緒に聞いた方が、お互いの理解を確かめ合えたり、つらさを分かち合うことができます。
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