自分の助言集をつくる
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セカンドオピニオンというのは、直訳すると『第2の意見』で、『診断や治療方針について、現在の自分の担当医以外の医師の意見を聞き、参考にすること』をいいます。
これは、
◎ 担当医に診察や治療方針の説明を受けたが、どうしたらいいか悩んでいる
◎ いくつかの治療法を提示されたが、迷っている
◎ 他の治療法がないか知りたい
などの場合に、ご自身が納得して治療を選択し受けるために、他の医師の意見も聞いてみるという方法です。
セカンドオピニオンを受ける効果は、次のようなことが考えられます。
○ 現在の担当医の診断や方針について、他の医師に再確認することで、納得して治療を受けることができます。
○ 現在の担当医の提示する治療法以外の治療法の情報を得ることもあります。
セカンドオピニオンを受ける際には、担当医に「セカンドオピニオンを受けたい」とはっきりと申し出ることと、セカンドオピニオンは病院を移るのではなく、他の医師の意見を聞くことであることをよく理解しておきましょう。
もし、セカンドオピニオンを受けた病院での治療方法を選択しようと決心したら、その旨を現在の担当医に伝え、改めてその病院を受診するようになります。最初から病院を移るつもりの場合は、セカンドオピニオンではなく、転院として担当医に申し出ることになります。
“言い出しにくいから内緒で”と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何も情報がないまま他の病院に移ると、また一から検査をしなければいけません。時間もお金もかかりますし、もし過去にがんの治療をされたことがある場合、その情報がないというのは、患者さんの病気をよく理解するための大事な手がかりを失うことになります。
がんと告げられることは、誰にとっても強い衝撃であり、頭が真っ白の状態になったり、信じられないと思ったりしても、不思議はありません。
“信じられない”という気持ちのなかには、強い衝撃からこころがその人自身を守ろうとして、その状況を否定しようとする場合もあります。衝撃が強く、気持ちが動揺しているときには、冷静になって考えようとしても、なかなかこころがついていかないこともあります。
すぐに結論をださないで、たとえば一晩おいて、あるいはご家族などに医師の説明と自分の思いを伝えて一緒に話し合ってみましょう。そのうえで、何が信じられないのか、その根拠をご家族や親しい人と確かめ合ってみましょう。
他の医療機関で診察を受けたり、セカンドオピニオンを受けてみるなどの方法はありますが、もしこころが現実を受けとめられずにいる状態であれば、いろいろな医療機関にかかっても、“信じられない”という気持ちが続いてしまうかもしれません。また、別の医療機関で診察してもらうには、また一から検査が必要な場合もありますし、時間もかかります。セカンドオピニオンも、ほとんど予約制ですし、予約待ちの時間もあります。こういった点もよく考える必要があります。
納得できない点があれば、その点を確認してみましょう。担当医に伝え、確認してもよいでしょう。
また、どういう過程を経て(診断のための検査など)診断がされるのかをご自身で理解することも大切です。もし、インターネットを使えるようであれば、国立がん研究センターがん対策情報センター『がん情報サービス』のホームページを見てみましょう。
![]() (1)国立がん研究センター『がん情報サービス』:病名からさがす https://ganjoho.jp/public/cancer/index.html いろいろながんに関する基礎知識、検査、治療、療養に関する情報があります。 (2)がん情報サイト :PDQ日本語版(米国国立がん研究所のがん情報サービス) https://cancerinfo.tri-kobe.org/ がん情報サイトには、『PDQ最新がん情報』、『PDQがん用語辞書』、『NCCNガイドライン日本語版』などの情報があります。 『PDQ最新がん情報』は、治療(成人、小児)、支持療法と緩和ケア、スクリーニング(診断と発見)、予防、遺伝学的情報、補完代替医療の情報があり、それぞれ『患者様向け』と『医療専門家向け』の2つのボタンがあり、より詳しい情報は『医療専門家向け』から得られます。 |
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