• （患者本人、不明、不明、大腸、2003年版)転移が続き、体力が弱まり手術を受ける気力もなく、終の道、死ぬまで生きるしかない。手術しても更に体力ダウンすれば二者いずれかを選択せねばならず、いずれ死ぬまで生きる。それまでどうして生きるか。終末医療を頼めるか心配だ。

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【ターミナルケアと緩和ケアの共通点と相違点】

少し前まで、がん末期の患者さんが直面する体やこころのつらさを和らげるためのケアを、『ターミナルケア』と呼んでいました。『ホスピス』は、このような『ターミナルケア』が専門的に行われている施設と考えられていました。
最近では、『ターミナルケア』という言葉に代わり、『緩和ケア』という言葉が使われるようになりつつあります（『緩和医療』も『緩和ケア』とほぼ同じ意味です）。
『緩和ケア』と『ターミナルケア』の共通点は、患者さんやご家族の感じている様々なつらさをやわらげることを最優先することです。
両者の違いは、『ターミナルケア』が、がん末期の患者さんだけを対象にしていたのに対して、『緩和ケア』は、ケアの対象をがん末期の患者さんに限定せず、“診断から末期まで、どのような時期でも提供されるべきケアである”と位置づけられている点です。

【緩和ケアはいつでも受けられる】

『緩和ケア』は、診断時から終末期まで、病気の段階に関わらず、いつでも受けられます。
また、いわゆる『積極的な治療』と『緩和ケア』のどちらを選ぶべきか、二者択一のように考えて、悩む必要はありません。手術や化学療法など、がんと向き合う治療を行っている時期から、緩和ケアを受けることもできるのです。
緩和ケアは、『積極的な治療』を邪魔したり、その効果を減らしてしまったりするものではありません。むしろ、痛みや苦痛を伴う症状を上手にやわらげることで、がんと前向きに取り組む力が湧いてくることもあります。がんの治療を受ける時には、痛みやつらい症状があったら、いつでも率直に、医師や看護師に伝えるようにしましょう。
逆に、緩和ケアを受けることが、治療を放棄したり、諦めたりすることを意味するわけではないということも、忘れないでください。

【つらさを一人で抱え込まない】

がんに伴う苦痛や負担は、医療者に、そしてご家族をはじめ周囲の人に話してかまいません。むしろ、話すことで、あなたの苦痛を一緒に考え、あなたが生きるのを支えることができます。ご家族は、あなたと苦しさを分かち、あなたがご家族とともに生きることを望まれていると思います。

(1)日本ホスピス緩和ケア協会 https://www.hpcj.org/index.html サイドメニューに、『ホスピス緩和ケアをご利用の方に向けた情報』があり、『ホスピス緩和ケアQ&A』（ホスピス緩和ケアに関することをQ&Aで情報提供しています）、『ホスピスってなあに？』（冊子PDF版）などホスピス緩和ケアに関する情報や、ホスピス緩和ケアの解説やホスピス緩和ケアを受けられる医療機関一覧（ホスピス緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、在宅ホスピス緩和ケア）の情報があります。 (2)国立がん研究センター『がん情報サービス』：相談先・病院を探す https://hospdb.ganjoho.jp/ https://ganjoho.jp/public/index.html がん情報サービスの[相談先・病院を探す]では、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院、希少がん情報公開専門病院等の一覧が掲載されていて、さまざまな条件で検索できます。 (3)緩和ケア.net https://www.kanwacare.net/ 緩和ケアに関する総論的な情報、痛みや痛み以外の症状、緩和ケアの医療費に関する情報、こころの変化やつらさへの対処法などの情報が掲載されています。