• （患者本人、70代、男性、前立腺、2003年版)検査で脊椎をはじめ、数カ所の骨に転移していることが判明、ステージＤとなる。やがてくるであろう痛みとＱＯＬの関係や残された時間に何をやるべきかを考えている。

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【『緩和ケア』をご存じですか】

がんという病気については、『痛い』『苦しい』というイメージが残っています。しかし今日では、がんの患者さんが感じているつらさを総合的にやわらげる『緩和ケア』の研究が進み、がん医療の現場に普及しつつあります。適切な『緩和ケア』を受けることで、がんの進行に伴うつらさの多くは軽減できるようになってきました。
がんに関係する痛みをやわらげる治療の基本となるのは『WHO方式がん疼痛治療法』です。WHO方式がん疼痛治療法は、時間を決めて、痛みの強さに応じた薬を飲むことを基本とする治療法で、適切に実施すれば8割から9割の患者さんでがんの痛みを抑えることができると言われています。がんの痛みをやわらげる方法には、他にもあります。また、痛み以外の不快な症状を軽減するためのさまざまな方法も開発されています。
緩和ケアでは、患者さん一人ひとりの価値観を尊重しながら、QOL（生活の質）をできるだけ高く保てるようサポートすることが目指されます。今後のことを考える時にも、気持ちに寄り添いながら、一緒に考えてくれると思います。
最近では、緩和ケアを治療の初期から行うことが大切だと言われるようになっています。もし必要を感じた時には、担当医に緩和ケアについて相談してみましょう。

(1)日本ホスピス緩和ケア協会 https://www.hpcj.org/index.html サイドメニューに、『ホスピス緩和ケアをご利用の方に向けた情報』があり、『ホスピス緩和ケアQ&A』（ホスピス緩和ケアに関することをQ&Aで情報提供しています）、『ホスピスってなあに？』（冊子PDF版）などホスピス緩和ケアに関する情報や、ホスピス緩和ケアの解説やホスピス緩和ケアを受けられる医療機関一覧（ホスピス緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、在宅ホスピス緩和ケア）の情報があります。 (2)国立がん研究センター『がん情報サービス』：相談先・病院を探す https://hospdb.ganjoho.jp/ がん情報サービスの[相談先・病院を探す]では、全国のがん診療連携拠点病院や小児がん拠点病院、希少がん情報公開専門病院等の一覧が掲載されていて、さまざまな条件で検索できます。病名やがんの種類、地域や病院の種類、診断や治療の実施状況、小児がん治療後のフォローアップ状況、小児がんの治療方法やセカンドオピニオンの対応状況などから探すことができます。また、成人や小児の相談先・病院一覧を見るでは、相談支援センターの名称や電話番号、病院情報などを閲覧できます。 (3)緩和ケア.net https://www.kanwacare.net/ 緩和ケアに関する総論的な情報、痛みや痛み以外の症状、緩和ケアの医療費に関する情報、こころの変化やつらさへの対処法などの情報が掲載されています。

【周りの人や相談員に相談してみましょう】

気持ちがうまく整理できない時には、誰かと話をしてみることで、自分の本当の気持ちが見えてくることがあります。
家族や友人など、親身になって話を聞いてくれる人がそばにいるのであれば、その人と話をしてみましょう。
もし、そういった方が身近に見当たらない時には、おかかりの病院の相談室にいる相談員と話をするのもよいでしょう。もし受診中の病院に相談員がいない場合には、地域のがん診療連携拠点病院の相談支援センターに電話等で相談してみてもよいと思います。
相談員は、あなたの話をよく聞き、悩みについて一緒に考えます。また、院内や地域の専門的知識を持つ窓口を紹介する、という役目もあります。“誰に相談したらいいのかわからない”といった悩みがあれば、まずは相談員にたずねてみましょう。

国立がん研究センター『がん情報サービス』：相談先を探す https://hospdb.ganjoho.jp/ 成人や小児の相談先・病院一覧（がん診療連携拠点病院、小児がん拠点病院）が掲載されています。