「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、お近くの
「がん相談支援センター」をご利用ください。
悩み
検査を受ける度に、再発や転移していないかがとても不安だった。
14 件の体験者の声があります。
- (患者本人、70代、男性、膀胱、2003年版)3ヶ月検診が近づくたびに再発していなければ良いと思う。
- (患者本人、60代、男性、咽頭・喉頭、2003年版)3ヶ月に1度検査を受けているが、その都度再発していないか悩んでいる。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)検査を受ける都度、転移していないか心配でならない。
- (患者本人、70代、女性、膀胱、2003年版)検診の前夜は再発しているかと眠れない。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)検査を受けるたび、転移を考え不安である。
- (患者本人、40代、女性、乳房、2003年版)3ヶ月に1度主治医のもとへ定期検査に行くたびに、主治医のちょっとした一言が再発か転移かを思わせビクビクだった。私の主治医は細かいことは教えてくれないので(血液検査の結果、腫瘍マーカー)、くもった顔つきで「体調どう」と聞かれたり、独り言で「まずいな」とか言われたり、不安に思うことが多かった。聞いても「大丈夫」の一言で最近はもう慣れたが、超不安だった。先生のことは大変信頼しているが、もう少し詳しい話を聞かせて欲しい。次の3ヶ月後の検査まで悶々として過ごした。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)検査の結果が心配(転移してないかどうか)だったが、治療方法がはっきりしてからは主治医を信じて頑張っていこうと思った。それ以外はあまり深く考えないことにした。
- (患者本人、60代、男性、肺、2003年版)転移の有無が確定するまでの不安と恐れ。最悪の場合、突然人生を絶たれることに対するおびえ。家族の心配、不安に対する対処の仕方(心の準備がない)。
- (患者本人、60代、女性、子宮、2003年版)他に転移してまた手術をし、この後遺症(下痢、食欲減少)で苦しむのではないかと病院に検査に行くたび、悩み続けた。
- (患者本人、70代、男性、大腸、2003年版)転移または再発していないか、検査結果が気になる時がある。抗がん剤、健康食品をはじめ、精神的な心得など、免疫低下をおこさないための努力をし、現在も続けている。
- (患者本人、40代、男性、胃、2003年版)個人病院からの紹介状により総合病院に移されたので、うすうす感じてはいたが、初診でがんと告知され、やはりショックだった。手術可能なのかそれとも手遅れなのか、再検査の結果が出るまで不安の毎日だった。
- (患者本人、40代、男性、大腸、2003年版)いつ再発と言われるのか、採血のたび心配だった。
- (患者本人、50代、女性、乳房、2003年版)1年半経ったが、検査のたびに再発の不安がある。
- (患者本人、60代、女性、乳房、2003年版)がんの治療も大変進歩したが長期間にわたってのケアが必要な病気なので、検査の結果を聞くときは転移、再発等がないか大変不安がある。
助言
自分の助言集をつくる
EPUB形式でダウンロード
印刷用表示
【検査結果を聞くまでの不安に対処する】
実際に医師から話を聞くまで、検査の結果については、つい悪い方へ、悪い方へと考えてしまいがちです。検査結果に対する不安は、実際に結果がわかるまで、完全に取り去ることは困難です。
経過観察中の方は、「次の検査が近くなれば、また検査と結果が気になる、ということの繰り返しで、気持ちが晴れない」とおっしゃいます。
対策の一つは、“悩んでいても、検査の結果は変わらない”と割り切ってしまうことです。結果が出るまで、できるだけ気分転換をしたり、仕事や趣味に没頭したりして、検査のことは考えないようにしましょう。
【検査結果をどう聞くか】
検査結果を聞くときには、できるだけご家族や親しい方に同席してもらって、一緒に話を聞くようにしましょう。一緒に話を聞いてくれる人がいるのは心強いですし、後で説明の内容を確認しあうことで、理解が深まります。
また、検査の結果は、単なるデータとしていきなりつきつけられるのではなく、あなたのことをよく知っている、生身の医師の口から伝えられるはずです。たとえ厳しい結果であっても、医師はあなたの受容力を推し量りながら、伝え方を工夫してくれるでしょう。また、どうすることがあなたにとって最善の治療方針なのか、一緒に考えてくれるはずです。
検査結果が問題なければ、“今回は大丈夫だった”と考えるよりも、“次の検査までは大丈夫だ”と考えて、区切りを前に置いてみてはどうでしょうか。次の検査までの間の気持ちの持ちようが軽くなると思います。
【自分なりの『強さ』がきっと見つかります】
確かに、がんの再発そのものを完全に防ぐことができる薬や食べ物、生活習慣、気持ちの持ち方などは、現在まだ見つかっていません。
しかし、不安とどこかで折り合いをつけて、自分らしい生き方を探し出すことができている患者さんがたくさんいることも、事実です。
不安と折り合いをつける方法は、人それぞれ違います。これまでの人生を振り返って、大きな不安を乗り越えるときに、自分がどうしてきたか考えてみることで、ヒントが見つかるかもしれません。
それでももし、強い不安が頭から離れないときには、家族や信頼する友人に、気持を打ち明けてみてください。泣いてしまってもかまいません。
精神科医、心療内科医、心理療法士などのこころの専門家や、おかかりの医療機関(病院など)の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターにいる相談員に相談してみるとよいでしょう。
誰かに話をすることで、気持が楽になるはずです。思いを整理して、自分の『強さ』に気づくきっかけになるかもしれません。
ご意見・ご感想
よりよい情報提供を行うために、ご意見やご感想をお寄せください。
いただいた評価やご意見・ご感想は、今後、このコンテンツ(情報のなかみ)に役立たせていただきます。
なお、個別の回答やご相談は、仕組み上できかねますので、お困りごとやご相談がある方は、下記「がん相談支援センター」をご利用ください。
【がん相談支援センター】
お困りごとやご相談がある方は、
●静岡県内の方は、
静岡がんセンター「よろず相談」
もしくは、静岡県内のお近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
●静岡県外の方は、
お近くのがん診療連携拠点病院の「がん相談支援センター」
にご相談ください。