自分の助言集をつくる
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悪い知らせ(病気の説明など)を告げられた時には、強い衝撃を受け、頭が真っ白の状態になっても不思議はありません。精神的に不安定になることもあります。こういう時は、病気や治療のことよりもまず、つらさを感じている自分のこころを少しでも守り、落ち着いてくるのを待つことが大切です。
自分を見失いかけるほどのショックは、一人で抱え込むには重すぎることです。あなたがこころを許せる人、気持ちを話せる人に、つらさを伝えてみましょう。人に話すことで、気持ちが楽になったり、自分の頭の中の整理ができるきっかけになることもあります。
時間が経って、少し気持ちが楽になってきたと感じたり、“○○ってどうなんだろう”と担当医の説明内容を振り返ったり、日常生活のことに目が向いたりしてくると、こころが少しずつ変化してきたサインの一つといえるかもしれません。その時点から、病気や治療のことを少しずつ考えていきましょう。
ご家族や周囲の方々も、担当医の説明内容を聞くと、患者さんと同じように衝撃を受けます。その一方で、ご家族は衝撃を受けている患者さんを見て、患者さんに代わって治療法などの情報を探される場合があります。けれども患者さん本人は、周囲からの声を冷静に聞き、判断するこころの準備ができていないこともあります。
ご家族や周囲の方々も、すぐには動かず、まず、患者さんの気持ちが少しずつ落ち着いてくるまでは、見守ってあげましょう。そして、患者さんの気持ちが、少しずつ落ち着いてきて担当医の説明内容を振り返ったり、病気の状況や治療のことなどに関する言葉を口にされるようになったら、そこから患者さんと一緒に考えましょう。
また、ご家族のこころも患者さんと同じようにショックを受け、つらいことに変わりはありません。そういう時は、患者さんと同様、すぐに動かず、自分のこころが少しずつ落ち着いてくる時間を待つことが大切です。
気持ちが落ち着いてきたら、まず担当医の話をきちんと理解できているか、よくわからないところはないかを少しずつ考えてみましょう。
これは自分が今後どうしていくかを考えていく上で、とても重要です。深刻な説明内容の時、自分では覚えているつもりでも、最初の衝撃が強く、あとの話はただ耳を通り過ぎるだけで頭に入ってこないこともよくあります。
できれば、ご家族や自分がこころを許せる人と話をしながら整理していきましょう。人に話すということは、頭の中を整理することにもつながります。
担当医の説明は、患者さんの病気の状況、全身状態を考え、がんの治療を行うことの利点(期待できる効果やその患者さんの生活の質(QOL)との関係など)と欠点(治療を行うことでの危険性、副作用、体へのダメージ)を検討した上でのことだと思います。
がんの治療には、手術や放射線治療、抗がん剤治療など様々な治療法がありますが、治療法が多彩にあっても、全ての方に、どの治療法も行えるというわけではありません。
今後、他の病院でのセカンドオピニオンを受けるにしても、ご自分の現在の状態と治療の利点と欠点、生活の質(QOL)について、よく考え理解した上で、行動を起こすことが大切だと思います。
診断の初期、担当医が今後のことを話す時、限られた情報の中で、最悪の見通しと最良の見通しを告げることがあります。この際、患者さんや家族には最悪の見通しだけが記憶に残ってしまうことがあります。
まず、気になっている情報を確認しましょう。その上で、担当医にどういう治療が標準治療として行われているのか、自分の場合はどの治療が適応となるのか、確認してみましょう。
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