「がん体験者の悩みQ&A」では、2003年と2013年に実施した全国調査結果を整理して構築したがん体験者の悩みデータベースを公開しています。このデータベースに基づき、がん体験者の方々の悩みや負担をやわらげるための助言や日常生活上の工夫などの情報ツールの作成等を行っています。
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悩み

手術を前にもしているので、またあの痛みを受けなければいけないのかというつらさがある。
14 件の体験者の声があります。

助言

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【手術の結果として生じる痛み】

がんを治療するために手術を行った結果、痛みが生じることがあります。
一般的には、手術の痛みは時間がたつにつれてやわらいで行きます。その一方で、どの程度の痛みがあるか、痛みがどのくらいの期間続くか、ということは、人によって違います。また、時間がたち、痛みをほとんど感じなくなってからも、体調や湿度によって、思い出したように創(きず)あとが痛むこともあります。
手術の結果として生じる痛みについては、“がんを治すためなのだから、仕方がない”と考えてしまいがちです。
しかし、痛みが強かったり、長く続いたりすると、体を動かしたり、人と話したりすることもつらくなります。この結果、体の機能を回復させるためのリハビリテーションにも消極的になってしまい、日常生活のさまざまな場面で支障が出るようになりかねません。
もし痛みが続くようであれば、担当医や看護師に症状を伝え、しかるべき対応を考えてもらいましょう。


 
【あなたの痛みがわかるのは、あなただけです】

医療者の痛みに対する考え方は、昨今大きく変化してきました。
手術が終わった後、医師や看護師がベッドサイドに様子を見に来て、「痛みはどうですか?」とたずねることも多いと思います。
医療者から痛みについて聞かれたときには、自分が感じていることを、正直に、ありのままに伝えましょう。
あなたの痛みが正確にわかるのは、あなただけだということを、忘れないでください。
長年、痛みをがまんすることを美徳とする風潮があったために、“この程度の痛みはがまんしないと”と思い込む患者さんも多いようです。
しかし、痛みをがまんすることは、ストレスや疲労の原因になります。“痛み止めを使うと病気の治りが遅くなる”というのも、根拠がない通説です。
聞かれるのを待つだけでなく、痛みがあるときには、自分の方から積極的に医療者に伝えることも、非常に大切です。


 
【自分で痛みを評価して人に伝える】

痛みのつらさは、本人でなくてはわかりにくいものです。痛みの治療の第一歩は、あなた自身が痛みを評価して、医療者に伝えることです。
ただ、痛みは主観的な感覚なので、ほかの人にわかりやすく表現するのがなかなか難しいことも事実です。
そんな時には、次のように整理しながら話すと、相手に伝わりやすくなります。箇条書きのメモを作っておいて、診察に持参したり、担当医に手渡したりするのもよいでしょう。

○ 『どういうときに痛みが強くなるのか』
○ 『どのあたりが痛むのか』、『言葉で表現するとどういう痛みなのか』(きりきり、ずきんずきん、ずしーんなど)、『痛み止めを使っているとしたらその効果はどうなのか』
○ 『どのくらいの強さで痛むのか』(「全く痛くない」を「0」とし、「耐えられない程痛い」を「10」とした場合、数字でいくつと表現できるか)
○ 『日常生活で困っていることは何か』


 
【手術について不安が残っていれば、担当医や看護師に相談する】

もしかすると、あなたの不安は、これから受ける手術の具体的なイメージが十分につかめないために生じているのかもしれません。
手術に関して、まだよくわかっていなかったり、不安な点が残っていたりするのであれば、担当医に話をする機会を作ってもらいましょう。
担当医と話をする時には、できるだけ、家族や親しい友人など、信頼できる人に同席してもらいましょう。
メモをとりながら、担当医の説明を注意深く聞き、分からないことがあればそのつど質問して確認するようにします。きちんとメモを取る自信がなければ、レコーダーを持参し、担当医の許可を取った上で録音するという方法もあります。
特に、あなたが気になっている痛みについては、きちんと聞いてみてください。あらかじめ、“痛みが出た時にはどういった対処を考えているのか”、“一般的にはどのくらいで回復するのか”といった気がかりを、思いついたときにメモに書きとめて、準備しておくとよいでしょう。
担当医にすぐに話をするのが難しいようであれば、まずは看護師に相談してみるのもよいと思います。


 

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