自分の助言集をつくる
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自分では元気だと感じているのに、お友達から『やつれていない』『動きすぎ』と言われ、『病人』として扱われたことは、不本意で、ショックをお受けになったこととお察しします。
がんは決して珍しい病気ではありませんし、治療の技術や成績も日々進歩しています。
しかし、長年にわたって作られてきた、病気に対する暗いイメージが根深く残っていることも事実です。
『がんのイメージだけで判断し』とお感じになったということですが、きっとお友達は、病気が判明したばかりの頃にあなたが持っていたのと同じくらいの知識しか持っていないのではないでしょうか。
もしそうだとすれば、お友達の言葉は、限られた情報のなかで、精一杯、あなたのことを気遣った結果、出てきたものなのかもしれません。
『やつれていない』と言われたのは、お元気な様子を励まそうとされたのかもしれませんし、『動きすぎ』と言われたのは、あなたがお疲れにならないよう、こころを配られたのではないでしょうか。
あなたががんになったことで、人によっては過剰に反応してしまったり、適切ではない言葉をかけてしまったりする方もいるかもしれません。
病気はあなたこころを敏感にしています。そういった相手の反応の一つひとつが、あなたを傷つけてしまうかもしれません。
ただ、やがて相手の方も、病気の有無にかかわらず、あなたはあなたである、ということを、きっとわかってくれるはずです。時間をかけることが大切です。
入院中の親しい人からのお見舞いは、うれしく、こころの励みになるものです。
その一方で、どんなに気のおけない相手でも、人とのコミュニケーションというものは、思った以上に気力や体力を使います。
特に、気分が落ち込んでいたり、体がつらかったりした時には、相手と会うのに気おくれしてしまうこともあるはずです。
お見舞いは、あなたの体やこころを楽にするためのものです。もし、面会が逆に負担に感じるようであれば、はっきりと断ってかまわないと思います。
自分から相手に伝えるのが難しいようであれば、ご家族に協力してもらいましょう。
また、看護師に相談して、受付やナースステーションで、面会できない旨を相手に伝えてもらうようお願いするのもよいでしょう。
病院まで足を運んでくださった相手に申し訳なく、断りきれない、ということであれば、体調が良い時に手紙を準備しておく、という方法もあります。
お見舞いへのお礼、治療に専念したい気持ちなどを書いたカードや便せんをあらかじめ用意しておいて、体調が良くない日にお見舞いにきてくださった方にお渡しします。
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