自分の助言集をつくる
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がんにかかり、多くの悩みや不安を抱えてしまったのでしょう。それは、特別なことではなく自然なことといってもいいかもしれません。強いストレスや大きな不安でこころが悲鳴をあげ、気持ちをコントロールできなくなることもあるのです。そして、残念ながら「こうすれば不安な気持ちになりません」とか「こうしたら悩みはなくなります」という方法はありません。
けれども、人は皆そういった状況を乗り越える、強い意志やこころをもっています。周囲にいる人の手を借りながら、支えられながら、少しずつ不安や困難を乗り越えていけます。ですから、あせらないでこころもケアしていきましょう。
入院を待つ間、不安が全くなくなるというのは難しいかもしれません。けれども、入院待ちの間であっても、患者さんは今かかっている病院に、そして担当医に関わっているのですから、何かあれば連絡して、すぐに対応してもらえるはずです。待っている期間はつらいかもしれませんが、一人ではありません。
困ったこと、つらいこと、悩んでいることがあれば、担当医や看護師、相談窓口などで相談してみましょう。
また、ご家族もあなたを見守っているはずです。不安な気持ちを無理に抑えつけようとせず、つらいときはつらいと、あなたの気持ちを周囲に話してみましょう。
不安定なこころの状態が続く時には、時として専門的な治療を受けた方がよい場合もあります。
こころが不安定で、他には何も考えられなくなった、何事にも集中できない、誰とも話したくない、夜眠れない、食欲がない、などそういった症状が続くような時は担当医やこころの専門家(精神腫瘍科医、心療内科医、精神科医、臨床心理士、心理療法士、リエゾンナースなど)に相談してみてください。気持ちを落ち着けるお薬を飲んだ方がいい場合もあります。
こころの専門家というと、“自分がおかしくなったのではないか”と思い抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、これはがんにかかった多くの方が経験することです。
がんと向き合う時、からだの方は担当医がサポートしてくれますが、こころの方は周囲の人とともにサポートしてくれる専門家に少し頼ってみることで、どうしていけばよいのか、自分なりの答えがみつけられることがあります。
うつ病は「こころの風邪」ともいわれ、誰もが経験しうる病気であり、こころに強いストレスを受けた時にはなおさらかかりやすいものとなるのです。
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