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【入院期間の変化】
2001年の医療制度の改正により、主に急性期の疾患を扱う「一般病床」と主に慢性期の疾患を扱う「療養病床」の2つが新たに病床区分として定義されました。「一般病床」と「療養病床」の相違点として、入院料の差があります。また、「一般病床」でも平均在院日数等により入院基本料が異なります。このような医療制度の改正という背景のなかで、『3ヶ月』という区切りが退院時の話のなかにもでてきたのではないかと思います。
最近のがん医療の状況をみていくと、在院日数の短縮化がすすんでおり、手術の場合(術式等によっても異なりますが)でも、1-2週間で退院となることが多いですし、抗がん薬治療は、以前はほとんど入院して行われてきましたが、現在では外来で行われる治療が増えてきました。また、放射線治療は多くの場合、通院で行われます(部位によって安静などの必要性に応じ、入院で行う場合もあります)。
このように医療体制が変化してきた理由は、治療や症状緩和の技術の進歩があります。手術の場合も早期離床により合併症、臓器機能低下、筋力低下等を防ぐことがわかってきました。手術の方法についても、できるだけからだへの負担が少なく、生活の質を維持できるような術式が導入されています。抗がん薬治療では、副作用対策として、効果の高い吐き気止め、白血球をあげる注射などが用いられたり、副作用を予防したりやわらげるための様々な対処方法が行われています。
ですから、治療の間ずっと病院に入院していなければならないということはありません。
ただ、患者さんやご家族にとっては、退院の話が出ても、“この時期に退院して大丈夫なのか”、“まだ体力が戻っていない”、“食事がまだ十分食べられない”、と不安を感じる方もいらっしゃいます。
在院日数の短縮化に、患者さんの心理的な回復が追いつかない、自宅の環境やご家族の協力体制が整わないなどの問題を解決する前に退院日を迎え、退院後に困ったり、心配事が生じたりする場合も見受けられます。
そのような場合は、病院の相談窓口、あるいはソーシャルワーカーなどに相談してみましょう。
(最終更新日 2024年5月27日)
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