ダヴィンチ手術

ダヴィンチ手術とは

 近年、胆石症、虫垂炎などの良性疾患だけでなく、大腸がん、胃がんなどの悪性疾患に対しても、腹腔鏡手術が行われる機会が増えてきました。腹腔鏡手術は従来の開腹手術と比べて、体に加わる負担が少ない(体に優しい)と考えられています。腹腔鏡手術の利点は、傷が小さいことによる術後の痛みの軽減、より早い術後の回復、より短い入院期間、より早い社会復帰、そして美容上の美しさなどが挙げられます。
 ダヴィンチ手術は腹腔鏡手術をロボット支援下に行うもので、今までの腹腔鏡手術の利点をさらに向上させることができると考えられています。ロボットによる手術をおこなうことで、複雑で細やかな手術手技が可能となります。また3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲(しんしゅう)の少ない手術が可能となり、次世代の医療改革の一端を担った分野と考えられています。

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daVinci S Console

モニターを見ながら操作する医師

 これまでいくつかの手術支援ロボットが開発されていますが、現在世界的に使用されているのはIntuitive Surgical社の開発した「da Vinci Surgical System (ダ・ヴィンチ)」です。この手術支援ロボットは、欧米を中心にすでに医療用具として認可され、1997年より臨床応用されており、2015年9月までに米国では約2300台、欧州では約570台が稼働しており、2015年には60万件以上のダヴィンチ手術が行われています。わが国では2009年11月に本機器が厚生労働省により薬事承認され、200台(2015年9月現在)が稼動しています。手術件数は年々増加し、2015年には2万件以上のダヴィンチ手術が行われました。静岡がんセンターではダヴィンチ手術を2011年12月に直腸がんに導入し、以後胃がん、前立腺がん、縦隔腫瘍に導入されています。2014年の1年間に施行した263件のダヴィンチ手術は、国内最多です。2015年12月までに836件のダヴィンチ手術が行われ、直腸がん手術(428例)は我が国で最も多く、胃がん手術(180例)も2番目に多く行っており、それぞれ「da Vinci サージカルシステム症例見学施設」として、全国の病院を指導しています。

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ダヴィンチ手術の特徴

 ダヴィンチ手術は、通常の腹腔鏡手術をロボット支援下に行うものです。ロボットにより繊細で精密な手術が行えるため、手術成績の向上が期待されています。従来の開腹手術と比較して、通常の腹腔鏡手術と同様に、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。ロボット支援で行う手術操作は、①実際の手の動きが鉗子に反映される直感的な操作、②人間の手の動きを模倣した多関節を持った鉗子であり、人間の手以上の自由な動き、③実際の手の動きを最大5:1まで縮尺して鉗子を動かすことにより繊細な動作が可能になります。骨盤の深いところを操作するような直腸がん手術などでは、より簡単に、より繊細な操作が行えます。

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 ただし、ロボット手術にも欠点があります。腹腔内の癒着が高度な症例や高度の肥満症例では従来の開腹手術の方が安全な可能性があります。ロボットを介しての手術となるため、術者は触覚を感じることができないため注意が必要です。しかし、当院ではこれまで触覚がないことが原因で患者さんが不利益を被ったことはありません。手術後の治癒率や再発率に関しては、まだ新しい治療法のため報告がほとんどありません。実際の執刀は、ダヴィンチ手術システムの使用のためにIntuitive Surgical社による認定ライセンスを受けた医師が行います。看護師においてもトレーニングを受けている看護師が介助を行います。

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費用について

 現在保険収載が認められている手術は前立腺のみです。それ以外ロボット手術は自由診療もしくは先進医療の扱いとなるため、担当医にお問い合わせください。

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