手術支援ロボット ダ・ヴィンチの「胃領域の症例見学施設」の認定

手術支援ロボット ダ・ヴィンチの「胃領域の症例見学施設」の認定を受けました(PDF)

2014年7月2日
静岡県立静岡がんセンター

 静岡がんセンターは、2011年12月に手術支援ロボット「da Vinciサージカルシステム」を導入し、胃がん治療に対しては、2012年1月から開始、現在までに100例あまりの患者さんに対して実施してきました。この度、当センターは胃がん手術の技術などが認められ、6月にダ・ヴィンチサージカルシステムを製作販売する米国インテュイティブサージカル社から、日本では藤田保健衛生大学病院に次いで2番目となる「da Vinciサージカルシステム 胃症例見学施設」として認定を受けました。当センターでは、大腸領域※に続き2つめの領域で症例見学施設に認定されたことになります。

※大腸症例見学施設の認定は、2012年11月

<当センターの胃がんのダ・ヴィンチによる手術について>
当センターの胃がんの外科的治療は、内視鏡治療(ESD)の適応から外れる臨床病期ⅠA期・ⅠB期の方を対象に、開腹もしくは腹腔鏡補助下での手術を行っています。胃がんの罹患数は、男女合わせたすべてのがんの中で第1位であり、なかでも早期胃がんの割合は全体の50%を超えています。ダ・ヴィンチによる手術は侵襲性が低く、予後がきわめて良好な早期胃がんの治療に期待されていますが、安全性や有効性の評価は十分にはなされていない状況がありました。そのため2012年1月のロボット支援手術を導入時に安全性を評価するため、ⅠA期の早期胃がん(ESD適応症例は除く)手術に関する「早期臨床第Ⅱ相試験」を23症例実施し、胃がんに対するロボット支援手術の安全性が確認されました。現在は、ⅠA期・ⅠB期を対象に、100症例の患者さんを目標として後期臨床第II相試験を実施しています。

 

●胃外科 部長 寺島雅典 医師のコメント
胃がんに対するロボット手術は未だ保険適用も得られておらず、極めて先進的な治療法です。しかしながら、これまでの臨床試験を通した経験から、I期の胃癌に対しては既存の開腹手術はもとより、腹腔鏡手術よりも安全で確実な術式であると認識しております。このことはダ・ヴィンチシステムが有する自由度の高い鉗子と三次元の高精細視野によって可能となる精緻な手術手技によるものと思われます。現在まで約100例の症例を経験させて頂き、その中で確立された当院の術式が評価されて症例見学施設の認定を受ける事ができました。今後は、更に細緻で確実な術式の開発と普及に努め、我が国におけるロボット胃切除術の発展に貢献できればと考えております。

(ご参考)

当センターの手術支援ロボット ダ・ヴィンチによる手術実績 (年度/件数)
担当の診療科 主な疾患 主な術式 2011 2012 2013 2014 累計
大腸外科 直腸がん 直腸切除術 10 63 149 43 265
胃外科 胃がん 胃切除 4 32 50 15 101
泌尿器科 前立腺がん 前立腺摘出術 41 65 14 120
呼吸器外科 縦隔腫瘍等 縦隔腫瘍切除術
胸腺全摘術
1 1 2
 合計 14 136 265 73 488

※2014年度は6月末までの集計数字

2013年4月に1台追加設置された手術支援ロボット「ダ・ヴィンチSi」

本プレスリリースPDFはこちら → ico_pdf (PDFファイル:80KB)

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※本件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
静岡 県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当  TEL 055(989)5222

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