緩和ケア分野
緩和ケア分野では、患者と家族が抱える身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルな苦悩に対して、全人的な視点から包括的に捉えていくアセスメント能力、症状緩和のための知識と技術、問題解決するためのマネジメント能力などを学んでいきます。研修後の実践では、多職種チームと連携し活躍できるようにコミュニケーション能力も養っていきます。患者・家族の多様なニーズや価値観を尊重することができ、個別性のある緩和ケアを実践することができる認定看護師の育成を目指しています。
教育目的
緩和ケア分野において、個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践できる能力を育成する。
緩和ケア分野において、看護実践を通して看護職に対し指導を行える能力を育成する。
緩和ケア分野において、看護職等に対しコンサルテーションを行える能力を育成する。
緩和ケア分野において、多職種と協働しチーム医療のキーパーソンとしての役割を果たせる能力を育成する。
期待される能力
患者を全人的に理解し、QOLを維持・向上するために、緩和ケアに関する最新の知識を持ち、専門性の高い看護を実践できる。
患者の苦痛を多角的に捉え、高い臨床推論力・病態判断力を活用し、痛みやその他の苦痛を緩和することができる。
緩和ケアを受ける患者の家族の全体像をアセスメントし、遺族ケアを含めた必要なケアについて理解できる。
緩和ケアを受ける患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
病院等の組織や医療サービス提供システムを理解し、より質の高い医療を推進するため、多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとして役割を果たすことができる。
緩和ケア分野において役割モデルを示し、組織内外の看護職に対し緩和ケアの実践を通して知識・技術を共有し、相手の能力を高める指導・コンサルテーションを行うことができる。
緩和ケアに関する組織内外の他職種へのコンサルテーションに必要な知識や技術を習得し、コンサルテーションを行うことができる。
コアとなる知識・技術
痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し、的確にアセスメントするための知識・技術
全人的苦痛を緩和し、QOLを向上するための症状マネジメント、コミュニケーション、多職種によるチーム医療に関する知識・技術
家族の喪失や悲嘆に対する知識・技術
カリキュラム
※特定行為研修科目
上記時間数は、日本看護協会の基準カリキュラムに基づいた内容であり、一部変更の可能性があります。
演習
症状マネジメントに必要な専門的な技術を身につけるため、コミュニケーション、口腔ケア、リンパ浮腫、エンゼルケアなどの演習を行います。 | ![]() |