がん薬物療法看護分野
近年のがん薬物療法は、新薬の開発に伴い支持療法も含めて進化し続けています。従来の細胞傷害性抗がん薬だけでなく、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬の特徴を理解し、安全・確実な投与管理と副作用の症状マネジメントができる専門的な知識・技術と質の高い看護実践力が求められています。がん薬物療法看護分野では、多職種と協働し専門家としての能力を発揮できる看護師の育成を目指しています。
教育目的
がん薬物療法看護分野において、個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践できる能力を育成する。
がん薬物療法看護分野において、看護実践を通して看護職に対し指導を行える能力を育成する。
がん薬物療法看護分野において、看護職等に対しコンサルテーションを行える能力を育成する。
がん薬物療法看護分野において、多職種と協働しチーム医療のキーパーソンとしての役割を果たせる能力を育成する。
期待される能力
がん薬物療法を受ける患者・家族の身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな状況を包括的に理解し、専門性の高い看護を実践できる。
がん薬物療法に関する臨床推論、病態判断に基づき、適正ながん薬物療法の遂行と有害事象マネジメントができる。
がん薬物療法を受ける患者のセルフケア能力を高め、がん薬物療法の遂行と患者が望む療養生活の実現を支援することができる。
がん薬物療法を受ける患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
より質の高い医療を推進するため、多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとして役割を果たすことができる。
がん薬物療法の分野において役割モデルを示し、看護職への指導、看護職等へのコンサルテーションを行うことができる。
コアとなる知識・技術
がん薬物療法の治療計画に関する知識
がん薬物療法の適正な投与管理とリスクマネジメントを行うための知識・技術
がん薬物療法に伴う症状緩和のための知識・技術
患者が自宅で治療管理や有害事象に対応するための、個別的な患者教育(安全な薬物療法の実施に向けた服薬アドヒアランス、副作用対策)を行う知識・技術
がん薬物療法を受ける患者・家族の意思決定支援のための知識・技術
がん薬物療法を受ける患者・家族が望む療養生活を支援するための知識・技術
がん薬物療法の曝露対策ができる知識・技術
カリキュラム
※特定行為研修科目
上記時間数は、日本看護協会の基準カリキュラムに基づいた内容であり、一部変更の可能性があります。
演習
抗がん薬曝露対策に関する個人防護具の装着や、抗がん薬調製の演習を行います。 |
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