レジデント向け情報

研修の特徴

 肝胆膵悪性腫瘍の精密診断とそれに基づく積極的外科治療をモットーにしています。 頻度の高い肝細胞がん、転移性肝がんはもとより、膵がんや胆道がんなど閉塞性黄疸を呈するがんの診断・治療に力を入れています。各種画像による術前精密診断のもとに、難易度の高い脈管合併切除を伴う肝切除や膵切除、肝膵同時切除にも積極的に取り組んでいます。肝胆膵の手術手技や補助療法などについて全国のがんセンターや大学との共同臨床研究を行っています。地域の研究会や全国学会・国際学会などに積極的に参加・発表しています。

研修コースと研修内容

 チーフレジデントとレジデントの2コースを準備しています。チーフレジデントは、基本的に2年間の固定研修で、特に2年目のチーフレジデントは所属のレジデントをまとめ、病棟業務の中心となります。レジデントは、3年間のローテート研修で、麻酔科、画像診断科のローテーションが必須です。3年の間に当科をベースに、外科系の他科(胃外科、大腸外科、呼吸器外科、食道外科など)や関係内科(消化器内科、内視鏡科、感染症科、緩和治療科など)、病理などをローテーションできます。チーフレジデント、レジデントを問わず、症例ごとにスタッフとマンツーマンで受け持ち医となり、診断・治療にあたります。当科研修期間には最低1回の研究会・学会発表と論文投稿をしていただきます。

レジデントの声

(1)チーフレジデント 上村直医師 平成26年から勤務

 肝胆膵外科医を目指し、実力をつけたいと思ったときに、どのような道を選ぶのがいいでしょうか。多くの症例を経験することは必要です。肝臓手術、膵臓手術、胆道手術、近年では腹腔鏡下手術等、肝胆膵外科医は多岐にわたる手術を習得しなければなりません。高難度外科手術である肝門部領域胆管癌や胆膵合同手術も体得しておく必要があります。よりよい手術のためには、術前の精密な画像診断から始まり、周術期管理、合併症に対する対応を熟知することも非常に重要です。
 当科は日本でトップクラスの症例数を誇ります。膵がん、胆道がん、肝細胞がん、転移性肝がんなど症例のバランスもとれ、なおかつ肝門部領域胆管がんの症例が多いことが特徴で、積極的外科治療を実践しています。症例が多いということはその分ハードワークではありますが、1例1例の症例を百戦錬磨のスタッフとマンツーマンで受け持つことで疾患に対する知識を深め、洗練された手技を体験することで外科医としての実力をつけます。そして何より志を同じくした他のレジデントとともに切磋琢磨し過ごす日々はきっと人生において他に得がたい時間になります。非常に中身の濃い研修を静岡がんセンター肝胆膵外科で送っています。

(2)レジデント    甲賀淳史医師 平成25年から勤務

 私は卒後5年目に母校の外科医局へ入局し、卒後5年目から7年目まで、いわゆる市中病院で働いてきました。指導者の先生に恵まれ、アッペ・ヘモ・ヘルニア・胆嚢炎に始まり大腸がん・胃がんの手術や腹部救急・乳腺の手術まで幅広く勉強・経験させていただきました。しかしながら当科のレジデントになる前は肝胆膵分野の大きな手術の経験は少なく、改めて勉強したいと考えた末、卒後8年目でレジデントとして入職を希望させていただきました。
 現在レジデント生活も3年目に入りました。振り返ってみますと、こちらにきたばかりのころは経験・知識のなさからか、なにをするにも自信がもてない時期がありました。やはり新しい職場・新しい環境で新しいことを学ぶのということは大変なことだと思います。
 しかし、厳しい環境のなかで切磋琢磨する同期レジデントの存在や、手術・知識の面で尊敬できる先生との出会いが支えになり、1年目より2年目、2年目より3年目と、年を追うごとに私も外科医として成長することができた(慣れてきた?)と思います。
 具体的なことを挙げますと手術件数はとても多く、毎日のように肝切除あるいは膵切除を行っています。自分で執刀する機会は市中病院にいたころと比べるとやはり少ないですが、多くの症例・手術を担当することができます。また学会発表や論文作成も活発です。以前は英語論文をほとんど読まなかった私ですが、指導者の先生に恵まれ、こちらに来てからこれまでに数本の英語論文作成に取り込んでいます。これらの経験はレジデント卒業後も外科医として働いていく上でよき糧になることと思います。

募集情報

 肝胆膵外科では、毎年1~2名のチーフレジデント、2~3名のレジデントを募集しています。

肝・胆・膵外科

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