AYA・こどもサポートチーム
チームの紹介
AYA世代(15歳~39歳)の患者さんの医学的・心理社会的な特徴を理解しながら個々のニーズに対し、より良い支援を届けるのがAYA・こどもサポートチームです。
AYA世代の患者さんは、学業・就職・恋愛・結婚・出産などライフイベントが集中する時期であり、悩みは多岐に渡ります。AYA世代の患者さんへの支援には多角的な視点が必要です。多職種で全人的ケアやサポートが提供できるよう協働し、患者さんがその人らしく生活できるように一緒に考えます。
また、患者さんとともに闘病生活を送る家族が安定した日常生活を送れるように専門スタッフがお手伝いしています。
当院では、外来・病棟の各部署にリンクナースが配置されており、部署のスタッフとAYA・こどもサポートチームを繋ぐ役割を担っています。
AYA・こどもサポートチームは、担当医や各部署のスタッフ(リンクナース)と困りごとの整理や関わり方を相談します。多職種で連携を取りながら、必要に応じて患者さんやご家族との個別面談につなげています。
“小児科家族支援”では、子育て世代の患者さんや配偶者(パートナー)とともに、こどもとの関わり方や病気の伝え方について相談し、家族としての方向性を考えるお手伝いをしています。不安など気持ちのつらさが強い場合には公認心理師(臨床心理士)、患者さん自身がひとり親であり、将来のこどもの養育者について検討が必要な時には、医療ソーシャルワーカーにも面談に参加してもらうことがあります。
ライフイベントと治療が重なり、患者さんの悩みや困りごとは個別性が高くなります。
一人で悩みをかかえるのではなく、病院の各リソースをご活用ください。
こんな事…気になっていませんか?
・病気や治療のこと
・学校や勉強のこと(治療と学業の両立、学校との連携)
・就労との両立、職場復帰、就労について
・医療費や生活費など経済面について
・利用できる社会制度について
・人間関係(家族との関係、友人との関わり等)のこと
・恋愛、結婚、こどもを持つこと
・こどもへの伝え方や家族との共有、職場や友人への説明について
・ウィッグや化粧のこと(副作用による外見上の悩み)…
〈相談窓口〉
入院中:医師、病棟看護師
外来:医師、外来看護師、よろず相談(医療ソーシャルワーカー)、患者家族支援センター(専門看護師)
受付時間:平日8:30~17:00(*対面で相談に応じます)
支援するのに適切なスタッフへとお繋ぎします
活動内容
がんであることに起因したAYA世代・子育て世代特有の悩み、生活上の支障、将来への不安など、課題を明らかにし、早期に情報提供を含めた心理社会的な支援につなげていきます。2種類のスクリーニング(問診票:AYA支援、小児科家族支援)を通し、患者さんに身体や心のつらさ、社会生活上の悩み、子育てに関する困りごとをお尋ねしています。
月1回のチームラウンドでは、各部署のリンクナースと情報共有し、それぞれのニーズに合わせてチームカンファレンスを開催しています。
また、院内外に向けてAYA世代についての勉強会を開催し、啓発活動をしています。
スタッフ紹介
主なメンバー:
小児科医師、看護師、CLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)、MSW(医療ソーシャルワーカー) 公認心理師(臨床心理士)
その他の診療科医師、リハビリスタッフや薬剤師、栄養士など、多職種で連携しています。
小児科医師:
主科の医師と連携をしながら面談を行います。
また、きょうだいやお子さんに直接お会いして面談することも可能です。
看護師(入院・外来):
患者さんの多種多様な悩みや不安に対して、包括的に支援し、他職種と連携・調整を行います。
公認心理師(臨床心理士):
病気にまつわる心の揺らぎや葛藤との向き合い方など、気持ちの整理をお手伝いします。また、AYA世代の患者さんを支えるご家族(親やパートナーを含む)の相談にも応じています。
MSW(医療ソーシャルワーカー)/よろず相談(がん相談支援センター):
治療をするなかで生じる医療費・生活費といった経済的問題、学業や仕事を続けていけるだろうかという不安、育児や介護など、療養生活でのさまざまな困りごとについて話を聴き、解決に向けて一緒に考えています。必要に応じて、学校、職場、各自治体、地域包括支援センターなどの地域の関係機関と連携を図りながら支援しています。
CLS (チャイルド・ライフ・スペシャリスト):
治療中、入院中の気分転換の場を提供し、同世代の仲間たちと出会う場をサポートします。また、面会に来られたお子さん、きょうだいへのサポートも行います。(遊びの提供、思い出作り、病気の理解の支援など)
活動の様子
●「若者たちの大座談会」
●チームカンファレンスの様子
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その他
座談会を開催しています。
全国のがん患者さん全体からみると、AYA世代の患者さんは2.5%と言われています。そのため、闘病の経験を共有する機会がなかなかありません。AYA世代の患者さんを対象に、座談会を定期的に開催し、同じ世代の仲間と悩みや気持ちを共有できる場を提供しています。同年代の患者さんが情報交換し、闘病の仲間としてつながることで、社会からの孤独感が軽減されると言われています。
同じような体験をしている仲間とつながりたい、他の人がどのように対応しているのか知りたい、といった声に対し、当院では『若者達の座談会』・『親のつどい』・『若者達の大座談会』・『こどもをもつがん患者・家族の座談会』を開催し、ピアサポートの機会を提供しています。オンライン形式のイベントなど、幅広いニーズに合わせたピアサポートプログラムの実践を目指しています。