香り・ニオイ

病院にはさまざまにニオイがあります。それらは、医療に関連するニオイ(疾患、薬剤、消毒など)と生活のニオイ(食事、排泄など)が混ざり合ったニオイです。特にがん専門病院では、がん組織のニオイが重大な問題となっています。
そのため、静岡がんセンターでは以前から積極的にニオイ対策に取り組んできました。

人はニオイに非常に敏感ですが、個人個人によって感じ方が異なります。そのため、「ある香りは落ち着く」などといったように、ニオイの効能を謳われていますが、客観的評価が難しいのが現状です。

香り・ニオイを科学として医療現場に応用するための研究をしています。

病気に伴うニオイ

乳がんや子宮がんの患者さんを対象に病変から生じる強いニオイ(病臭)を分析し、モデル臭を作成しました。モデル臭を用いることにより、消臭のための製品づくりを進めることができます。
また、病臭を客観的に評価できれば、より良いケアができると考え、ベッドサイドで使用できる病臭測定装置の開発を行っています。

病臭発生のメカニズムを解明するために、研究室で病臭モデルシステムを構築しました。このモデルシステムを用いて、がんの代謝物とニオイ物質の両方から検討し、がんの代謝の変化がどのようにニオイに影響してくるのか研究しています。

療養空間におけるニオイ

がんのニオイの問題を解決するために、消臭のための製品づくりをしています。部屋全体を換気する強力な脱臭機の開発をしています。
病院では薬剤(特にアルコール)が大量に存在し、他のニオイと混ざり合って不快なニオイとなっています。病院内の色々な場所での環境中のニオイ成分を分析し、その対応法を検討しています。

さらに、消臭や無臭という消極的な姿勢ではなく、アロマなどの環境のニオイが体にどのような影響があり、それががんに対して良い影響があるのかを研究しています。

地域の産物の香りを生かした製品

静岡県や伊豆地方の特産物を利用し、香りを生かした製品づくりをしています。その一部製品は、患者さんに香りを楽しんでいただくために用いています。

研究活動

研究活動