【掲載論文】デジタルデバイスデータを用いた、切除不能III期非小細胞肺癌に対するデュルバルマブ治療患者における間質性肺疾患の臨床予測モデルの開発

2026年7月27日
呼吸器内科部長 釼持広知

 切除不能III期非小細胞肺がんでは、化学放射線療法後にデュルバルマブによる免疫療法を行うことが標準治療となっています。一方で、治療中に間質性肺疾患(放射線肺炎を含む)が生じることがあり、重症化を防ぐためには早期発見が重要です。

 本研究では、多施設共同で123名の患者さんを対象に、ウェアラブルデバイス(活動量や心拍数などを測定する機器)やスマートフォンアプリ、電子カルテの情報を組み合わせ、人工知能(AI)を用いて間質性肺疾患の発症を予測するモデルを開発しました。

 その結果、高い予測精度を示すAIモデルを構築することができ、特に心拍数の変化が発症予測に重要な指標となる可能性が示されました。また、咳の記録アプリを用いなくても、患者さんの背景情報とウェアラブル端末のデータだけで同程度の予測が可能であることも分かりました。

 本研究は、デジタル機器を活用して副作用を早期に発見し、安全に治療を継続するための新しい医療の実現につながる成果であり、今後の臨床現場への応用が期待されます。

▶掲載論文

雑誌名 Lung Cancer. 2026 Aug:218:109470.
タイトル (欧文)Development of a clinical prediction model using digital device data for interstitial lung disease in patients with unresectable stage III non-small cell lung cancer treated with durvalumab
(日本語表記)切除不能III期非小細胞肺癌患者におけるデュルバルマブ投与後の間質性肺疾患発症予測モデルの開発
(略称表記)iDETECT
責任著者 Hirotsugu Kenmotsu 釼持 広知(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)
筆頭著者 Satoshi Ikeda 池田 慧(神奈川県立循環器呼吸器病センター、関西医科大学附属病院 呼吸器腫瘍内科)
共同著者と所属施設 Satoshi Ikeda 神奈川県立循環器呼吸器病センター、関西医科大学附属病院 呼吸器腫瘍内科
Hirotsugu Kenmotsu 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Ryo Koto アストラゼネカ株式会社
Takehiro Hirai アストラゼネカ株式会社
Mizue Ogi アストラゼネカ株式会社
Yoshinori Sato アストラゼネカ株式会社
Chikako Iwao アストラゼネカ株式会社
Hiroshi Kitagawa アストラゼネカ株式会社
Nobuyuki Yamamoto 和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座
掲載日 Epub 2026 May 25
URL https://doi.org/10.1016/j.lungcan.2026.109470
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42235163/

 

呼吸器内科

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