主な診断方法・治療法・手術件数

熱の原因検索

がん患者さんが熱を出す原因は数多くあります。多くは何らかの感染症ですが、抗がん剤などのお薬による発熱、腫瘍そのものによる発熱など感染症以外の原因もあります。感染症で多いものは肺炎、尿路感染症、血流感染症(菌が血液に入ったもの)などがあります。原因を調べるためには病気の経過を詳しく伺い診察させていただくのが大切です。また血液や尿の中に細菌がいないか培養検査(菌を増やす検査)をさせていただくこともあります。特に血液培養検査は菌血症を調べるうえで重要な検査です。菌を増やすためには一定量の血液が必要となります。20ml程度の血液量を場所を変えて2か所から採血します。

耐性菌

 細菌の増力を抑える薬剤を抗菌薬と呼びます。抗菌薬は何十種類と開発されています。こうした抗菌薬に抵抗性をもち、限られた抗菌薬しか効果を示さなくなった細菌を耐性菌と呼びます。代表的な耐性菌にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)があります。黄色ブドウ球菌は私たちの皮膚や粘膜に付着している一般的な細菌ですが、皮膚や粘膜の損傷がある場合や医療デバイス(点滴ラインなど)を介し感染症を起こすことがあります。環境中に長く生き残ることもでき、介助者の手や周囲の環境を介して他の患者さんに広がる場合があります。こうした耐性菌が検出された場合、
・個室に移動いただく
・リハビリや検査の時間変更
・医師や看護師などの医療者がエプロンや手袋をつけて診療/看護する
などの対応策を取ります。ご了解ください。

感染症内科

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