早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法を開始しました
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法は2013年8月より先進医療制度として開始されました(RAFAELO試験)。この試験結果は通常の手術と比較して短期間の治療効果は同等というものでした。これを受け、2023年12月に保険承認されました。現在、保険診療での早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法が可能な医療機関は日本乳癌学会から認定された施設・術者に限定されています。当院では2026年2月にラジオ波焼灼療法が可能な施設に認定されています。
ラジオ波焼灼療法とは
ラジオ波焼灼療法とは腫瘍の中に電極針を通してAMラジオと同じ周波数の電流(ラジオ波)を流してがん組織を加熱・壊死(死滅)させる治療法です。ラジオ波焼灼療法は、全身麻酔下におこないますが、切除手術とは異なり、乳房を大きく切ることはありません。
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法の適格基準と除外基準
乳がんラジオ波焼灼療法を受けることができる患者さんは日本乳癌学会のラジオ波焼灼術早期乳癌適正使用指針において以下のように定められています。
患者選択基準 適格基準
- 針生検で組織学的に通常型の原発性乳管癌であることが証明されていること。
- 腫瘍の大きさが、造影MRI検査、超音波検査を含む術前画像検査すべてにおいて長径5cm以下の単発限局性病変であること。
- 癌の皮膚浸潤や皮膚所見(delle)が認められないこと。
- 今回の乳癌に対する前治療(化学療法、ホルモン療法、放射線療法など)の既往がないこと。
- 年齢が20才以上の女性である。
- 術後放射線治療が実施可能なこと
- 手術、全身麻酔に耐えうる臓器機能を有すること。
- 術前診断にて腋窩リンパ節転移がないこと
適応除外基準
- 妊娠中、もしくは妊娠している可能性がある症例
- 心臓ペースメーカーまたは植え込み型除細動器を留置している症例
- 局所の活動性の炎症や感染を合併している症例
- 重篤な心疾患、脳疾患を有している症例
- 人工骨等のインプラントにより、対極板を貼付できず、RFAが適切でない症例
- 抗血小板療法、抗凝固療法等、止血困難が予想される症例
- 画像上広範囲の乳管内病変の存在や多発病変の存在が疑われる症例
- MMGで広範囲な石灰化を認める症例
- 温存乳房内再発を含む異時性の同側乳癌症例
- 他臓器転移を認める症例
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法の合併症
腫瘍に焼灼針を刺して通電し焼灼により癌を死滅させる治療法であるために周囲の皮膚熱傷、陥没乳頭、血種、硬結、皮下出血、皮膚潰瘍、乳腺炎、傷壊死、創部感染などの合併症を起こす可能性があります。ラジオ波焼灼後の部位はしこりとして遺残することが多いです。また焼灼不全となった場合は後日手術による切除が必要になります。
ラジオ波焼灼術を受けたあとの流れ
ラジオ波焼灼術終了後、約1-2か月で術後放射線療法を行います。放射線終了後3か月の時点で採血、超音波検査、MRI検査、吸引式針生検を行い、乳癌の遺残がないかを確認します。遺残が確認された場合や強く疑われる場合は切除手術が必要になります。
早期乳がんに対するラジオ波焼灼療法を受けることができるか知りたいと思われた方へ
自分がラジオ波焼灼療法の適応になるのかどうかを知りたい、ラジオ波焼灼療法のメリットやデメリットについて知りたいと思われる方は乳腺外科のセカンドオピニオン外来を受診してください。



