【掲載論文】局所進行非小細胞肺がん患者におけるデュルバルマブの治療効果を予測するバイオマーカーとしてのエフェクターT細胞の連続的免疫活性化が示唆

2026年7月31日
呼吸器内科部長 釼持広知

 切除不能局所進行非小細胞肺がんでは、化学放射線療法後に免疫療法薬デュルバルマブを行うことで、がんの進行を抑える効果が期待されています。しかし、どのような患者さんで治療効果が高いのか、その免疫学的な仕組みは十分に分かっていませんでした。

 本研究では、150名の患者さんに参加いただき、治療の前後で採取した血液を用いて免疫細胞の変化を詳しく調べました。その結果、化学放射線療法によって免疫細胞の一種であるCD4陽性T細胞が活性化し、その後デュルバルマブ治療によってCD8陽性T細胞がさらに活性化することが分かりました。また、これらの免疫細胞の活性化が大きい患者さんほど、がんの進行を長く抑えられる傾向が認められました。

 この研究は、血液中の免疫細胞を調べることで、患者さんの免疫状態やデュルバルマブ治療の効果を予測できる可能性を示したものです。今後、免疫チェックポイント阻害薬の個別化治療につながることが期待されます。

▶掲載論文

雑誌名 Clinical Cancer Research. 2026 June 23.
タイトル (欧文)Sequential Immune Activation of Effector T Cells as Biomarkers of Response to Durvalumab in patients with locally advanced NSCLC
(日本語表記)局所進行非小細胞肺がん患者におけるデュルバルマブの治療効果を予測するバイオマーカーとしてのエフェクターT細胞の連続的免疫活性化
(略称表記)Dual-Bio Study
責任著者 Hirotsugu Kenmotsu 釼持 広知(静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科)
筆頭著者 Atsuto Mouri 毛利 篤人(埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器内科)
共同著者と所属施設 Hiroshi Kagamu 埼玉医科大学国際医療センター 呼吸器内科 
Koichi Azuma 久留米大学病院 呼吸器病センター
Ryota Saito 山梨県立中央病院 呼吸器内科
Hiroaki Akamatsu 和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座
Kimio Yonesaka 近畿大学医学部附属病院 腫瘍内科
Mikiko Kakegawa 北里大学医学部 呼吸器内科学
Hiromi Nagashima 岩手医科大学付属病院 呼吸器内科
Satoshi Takahashi 東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野
Masaki Fujita 福岡大学医学部呼吸器内科学
Noriko Yanagitani がん研究会有明病院 呼吸器内科
Kiichiro Ninomiya 岡山大学病院 呼吸器内科
Yasuhiko Nishioka 徳島大学大学院医歯薬学研究部 呼吸器・膠原病内科学分野
Keita Mori 静岡県立静岡がんセンター 臨床研究支援センター統計解析室
Shigehisa Kitano 公益財団法人 がん研究会 有明病院 先端医療開発科
Koji Tamada 山口大学大学院医学系研究科免疫学
Nobuyuki Yamamoto 和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座
Akihiko Gemma 日本医科大学 学長
Tetsuya Mitsudomi 和泉市立総合医療センター 総長
掲載日 2026/5/26
URL https://doi.org/10.1158/1078-0432.CCR-25-3991
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42189883/

呼吸器内科

呼吸器内科