遺伝子診療研究部関係機器

1 質量分析装置

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Q Exactive HF/AP-SMALDI (Thermo Fisher Scientific/ TransMIT)

高速液体クロマトグラフィと質量分析計を組み合わせたタンパク質やペプチドを分析する装置です。エレクトロスプレー法(ESI)を用いて、イオン化した物質の質量を測定することができます。微少量の送液(nL/minレベル)が可能な液体クロマトグラフィが直接接続されているため、低濃度の物質の分離と測定を連続で行うことができるのが特徴です。
さらに、この質量分析計にAP-SMALDIも接続できるため、質量分布のイメージングも行うことができます。これにより、組織切片等を直接質量分析計で測定できることが可能になります。

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Microflex LT (Bruker)

マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を用いて、タンパク質やペプチドを分析する装置です。測定物とイオン化しやすいマトリックスとを混合し、そこにレーザーを照射することでイオン化した物質の質量を測定することができます。ペプチド断片の分子量を決定することで、タンパク質の配列の推定または同定が可能です。また、タンパク質に限らず、様々な分子の質量も決定することができます。

2 DNAマイクロアレイ

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DNAマイクロアレイシステム(Agilent Technologies)

アジレント社製品のスライドガラス型マイクロアレイを用いて、メッセンジャーRNAやマイクロRNAの発現、ならびに遺伝子のコピー数に対する網羅的な解析に利用します。

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GeneChipシステム(Affymetrix)

アフィメトリクス社のマイクロアレイシステムであるGeneChipを利用したメッセンジャーRNAの網羅的発現解析に利用します。

3 単一細胞単離・調整装置

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C1 Single-Cell Auto Prep System (Fluidigm)

微小流体技術を用いて、直径5-25 µmの細胞を個別に分離できるシステムです。
1細胞の捕捉から、DNA/RNAの調整までを半自動で行うことができます。すべての反応がマイクロサイズの空間で自動制御されるため、極めて反応効率が高くロスが少ないのが特徴です。がん細胞に含まれる希少細胞の解析などに有効です。
次世代シーケンサーと合わせることで、1細胞のゲノム/発現解析も可能です。

4 マイクロチップ型電気泳動装置

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Agilent 2100 バイオアナライザ(Agilent Technologies)

マイクロ流路に充填されたゲルを用いた電気泳動システムであり、ピコグラムからナノグラムオーダーでRNAの品質や定量分析を行います。分析により得られるRIN(RNA Integrity Number)と呼ばれる値(RIN値)は、RNAの分解の程度を表す指標として、発現解析等の実験に用いるRNA試料の品質評価に使われます。
また、DNAに対する定量やサイズ測定にも利用します。

5 組織破砕装置

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TissueLyser II(Qiagen)

ジルコニアボール及び抽出試薬の入ったチューブに組織サンプルを入れて、高速振盪させることにより、組織からRNAを抽出します。
1.7 mlサイズのサンプルチューブの使用で、一度に48サンプルを処理することができます。

6 スピンカラム自動精製装置

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QIAcube (Qiagen)

キアゲン社が提供するスピンカラムを用いた核酸抽出キット(RNAやプラスミドDNA等)に対応します。スピンカラム上における洗浄や抽出過程で生じる試薬の分注やカラムの遠心濾過処理を自動で行う装置です。
一度に最大12 サンプルを処理することができます。

7 リアルタイムPCR装置

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Applied Biosystems 7900HT Fast Real-Time PCR System (Thermo Fisher Scientific)

遺伝子発現量を絶対的または相対的に定量することに使用します。

8 タンパク質分離装置

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GelFREE 8100 (Protein Discovery)

分子量の差を利用して、タンパク質を分離する装置です。
タンパク質を溶液のまま回収できることが特徴です。そのためゲル内消化は必要とせず、酵素で分解されていないタンパク質を得ることが可能です。
分画を細かくすることで、特定の分子量を持つタンパク質を分離できます。分画されたタンパク質溶液は、そのまま、ウェスタンブロッティングや質量分析装置による解析に用います。

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dPC Fractionator (Protein Simple)

等電点の差を利用して、タンパク質を分離する装置です。
従来の分離法に比べて、わずかな等電点の差も分離することが可能です。すなわち、pHを0.05刻みに分けて、分離ゲルを抽出することができます。
抽出したゲルは、そのまま、ウェスタンブロッティングやゲル内消化処理に用います。

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Agilent 1200 HPLC System (Agilent Technologies)

逆相カラムあるいはイオン交換カラムを用いて、タンパク質・ペプチドを分離する高速液体クロマトグラフ装置です。オートサンプラの使用により、多検体の自動分析が可能です。

9 ペプチド合成機

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ペプチドシンセサイザー(Tribute UV-IR, Protein Technologies)

保護アミノ酸を順次縮合して、固相合成法によりペプチド鎖を伸長させる、ペプチドの自動化学合成装置です。HPLC精製装置と組み合わせて、免疫抗原ペプチドなど、高純度のペプチド(アミノ酸数が約50まで)を調製できます。

機器

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