レジデント向け情報

研修の特徴

手術件数が年間400件以上あります。特に原発性胃がんの切除症例数は我が国で2番目です。当院には胃外科以外にも世界でも有数のレベルを誇る内視鏡科、消化器内科、画像診断を専門的に取り扱う画像診断科が存在しますので、これら専門科と週1回合同カンファレンスを開催し、ガイドラインに従って治療方針を決定します。手術内容は、がんの進行度に応じて、縮小手術、定型手術、拡大手術を実施します。また、縮小手術の一環として腹腔鏡下胃切除術も積極的に実施しております。近年先進医療で承認されたロボット支援下胃切除術も積極的に取り組んでおり、我が国で2番目の症例数を経験しています。国内外の胃がんに関する学会では積極的に発表し、論文執筆も活発に行われています。また、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の厚生労働省がん研究助成金指定研究班の班員に指定されており、胃がん治療に関する様々な臨床試験にも積極的に参加しています。また、韓国のカソリック大学と交換研修のプログラムを有しており、在籍中に一度(1週間程度)は韓国ソウルでの研修を予定しています。

研修コースと研修内容

レジデントは1人で年間200例以上の胃がん手術に立会います。外科医として若いうちに学ばなければならない最も重要な課題は手術に対する考え方であると思われます。当科では胃がん手術に必要な基本的手技は勿論の事、胃がん手術に関する基本的な考え方を学ぶことができ、レジデント終了時には胃がんに対する治療方針を自分自身で決定する事ができ、かつ標準術式である開腹D2郭清、腹腔鏡下D1+郭清を伴う胃切除術を安全確実に行なえる技術が習得できます。また、各種併存症を有する患者の周術期管理も習得できます。胃外科以外にも内視鏡科、消化器内科、病理診断科、麻酔科、画像診断科、緩和医療科、感染症科などの科を一定期間研修する選択も可能で、3年間の研修過程は自分の将来設計にもとづいて選択できます。国内外における学会にも積極的に発表して頂き、消化器外科専門医、内視鏡外科学会技術認定医取得に必要な論文業績も獲得して頂きます。更に、何か一つテーマを決めて臨床試験のプロトコールを作成、臨床試験を実施して頂きます。
 チーフレジデントは基本的ローテートせずに研修して頂きます。手術、病棟のマネジメント、ジュニアレジデントの指導も担当して頂きます。チーフレジデントは、内視鏡外科学会の技術認定医の取得を目標とします。それ以外に、国際学会での発表、英文論文の執筆、臨床試験の企画・実行もお願いしています。

レジデントの声

幕内梨恵 医師(研修期間5年 現在副医長として勤務)

胃外科では年間約400件の手術を行なっており、6人前後のレジデントが在籍しています。チーフレジデントはこれらの手術が円滑に行なわれるよう、手術の割り振り、病棟のマネージメントをしています。手術の約半数がロボット支援下手術を含む鏡視下手術であり、2年間で内視鏡外科技術認定医の応募に十分な腹腔鏡手術の症例を積むことができます。ロボット支援下手術のような最新の手術から、傍大動脈リンパ節郭清を伴う胃切除などの拡大手術まで、幅広い術式を学ぶことができる数少ない病院だと思います。また臨床試験も多く参加し、学会発表や論文作成の機会も多く与えられます。手術・学術の両方で非常にアクティビティが高く、胃外科を志す若い医師にとってこの上なく恵まれた病院です。興味のある先生は是非見学にいらして下さい。

本田晋策 医師(研修期間3年)

胃外科レジデントの本田晋策です。救命救急センター併設の一般病院で初期研修2年、後期研修3年行った後、さらなる手術手技の上達を目指し静岡がんセンターにレジデントとして採用していただきました。一般病院ではなかなか経験できない残胃がんや食道胃接合部がんの症例もたくさんあり、今まで自分が見たことがなかった大動脈周囲リンパ節郭清を行う症例もありました。Bursectomyを行う症例は、ほぼ毎週といっていいほど多数あります。臨床試験の結果から拡大手術の有用性は否定されつつありますが、拡大手術を必要とする患者さんは今後も数は減少するでしょうが存在すると思います。今は少なくなっているその卓越した手術手技を勉強できることは外科医としてたいへん貴重な経験であり、なんとか自分のものとできるよう日々研鑽を積んでおります。もちろん早期がんの患者さんへの腹腔鏡下手術も行っており、年々その頻度は増加しています。現在はStageⅠの患者さんはほぼ100%鏡視下手術を行っており、D2郭清を行う症例も増加しつつあります。また、技術認定医を持った先生方から指導していただきながら、レジデントにも執刀のチャンスは回ってきます。レジデントは他の科もローテート可能ですので他の消化器外科や病理診断科など自分にあわせて研修内容を変更することが可能です。
 胃外科の特徴としてはさらに学術活動にあります。消化器外科専門医取得に必要な論文3本を書くことが第一の目標です。私は静岡がんセンターにくるまで論文を書いたことがなく、学術活動は嫌いで避けてばかりいました。しかしよい臨床医になるためには臨床試験の結果を正しく読み取り、それを実臨床に還元する力が必要です。学術活動なくして臨床力の増加なしということを痛感し、先生方の御指導をうけながら学術活動に励んでおります。論文については現在1本発行済み、1本投稿前準備中、2本執筆中(1編は英語)です。また国際学会での発表も行わせていただきました。さらに現在は前向きの臨床試験を計画させていただいており、開始まであと少しというところまで到達させていただいております。レジデントの先輩の中には他施設共同のランダム化比較試験を計画し実行された方、多数の研究に引用されている論文を書かれた方もいます。
 静岡がんセンター胃外科は手術手技のスキルアップと共に、学術活動を通して業績も重ねることができる素晴らしい環境にあります。是非一緒にはたらいてみませんか。

胃外科

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