理念・基本方針・患者さんの権利など
静岡がんセンターの理念・基本方針
基本理念
患者さんの視点の重視
【確認日:2024年5月20日】
患者さんへの約束(理念)
・がんを上手に治す
・患者さんと家族を徹底支援する
・成長と進化を継続する
【確認日:2024年5月20日】
基本方針
1. がんの高度専門医療機関として、安全かつ最高水準の医療を提供する。
2. 患者さんやご家族との対話に努め、全人的医療を実践する。
3. 患者さん一人一人が最適で最善の医療を受けられるよう、多職種チームで支援する。
4. 充実した緩和医療を提供する。
5. 患者さんやご家族から学ぶ姿勢を堅持する。
6. 地域と連携を深め、地域と共に患者さんを支える。
7. 静岡がんセンターが一丸となって、新しいがん医療の開発・研究を進める。
8. 静岡県がん診療連携拠点病院として、県のがん対策を総合的に進める。
9. がん医療の発展に寄与する人材を育成する。
10. 継続的発展ができるよう経営改善に努める。
11. ファルマバレープロジェクトを推進し、地域の医療・健康産業の活性化を目指す。
【更新日:2024年5月20日】
患者さんの権利とお願い
患者さんの権利
1.個人の人格・価値観が尊重され、尊厳が守られる権利があります。
一人一人の患者さんは、差別されることなくその人格や価値観が尊重され、どのような状態においても人としての尊厳が守られる権利があります。
2.安全かつ最適で最善の医療を受ける権利があります。
私たちは医療安全を最優先するとともに、患者さんやご家族との対話に努め、患者さんの状況に応じた最善の医療を提供するよう努力します。
3.十分な説明・情報提供を受け、自らの意思で診療内容を選択し決定する、あるいは断る権利があります。
患者さんには、病気や検査・治療などについて十分な説明を受け、自らの意思でご自分の生き方に沿った医療を選択し決定する権利があります。また、提案された診療内容が自らの意思に沿わない場合は、これを断る権利があります。
私たちは、なるべくわかりやすく説明し、質問にお答えします。その内容を録音していただくことも可能です。私たちの説明が理解できない場合や納得できない場合は、「よろず相談」や「患者家族支援センター」をお訪ねください。患者さんが知識を深め必要な情報を集めるには、「あすなろ図書館」も役に立ちます。
4.病気に立ち向かうための支援を受ける権利があります。
私たちは、患者さんとそのご家族が、がんに伴う苦悩を乗り越え、病気に立ち向かうことができるよう支援に努めます。静岡がんセンターには、がんに伴う身体的・精神的な悩みや苦痛、診療上の悩みや暮らしの負担などについてお話を伺い、一緒に考え、問題解決をお手伝いする専門の職員を配置しています。お困りの場合には、担当の医師、看護師などの職員に伝えていただくか、「よろず相談」や「患者家族支援センター」をお訪ねください。
5.担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を求める権利があります。
患者さんには、ご自分の病状や治療法などについて、担当医以外の医師や専門家の意見を聞き参考にする“セカンドオピニオン”を求める権利があります。そのために、私たちは、患者さんやご家族のお申し出があれば、病院内で担当医以外の医師を紹介したり、静岡がんセンター以外の医療機関の医師に対して紹介状や資料を準備いたします。
6.ご自身の診療情報の開示を求める権利があります。
患者さんは、所定の手続きをとることによって、ご自身の診療録(カルテ)の開示を求めることができます。また、単に閲覧するだけでなく、その写しを入手していただくこともできます。診療録の開示をご希望の方は、「よろず相談」で受付をしていますので、お訪ねください。
7.個人の情報が最大限守られる権利があります。
私たちは、患者さんの個人情報が他人に漏れることがないよう、法令に基づいて厳重に取扱います。個人情報保護に関わるご希望や苦情がありましたら、担当の医師、看護師などの職員または「よろず相談」にお話しください。
【確認日:2024年5月20日】
こどもの権利
「こどもの権利」は、2022年8月公益社団法人日本小児科学会が策定した「医療における子ども憲章」に準拠して作成しました。静岡がんセンターは、「こども基本法」、「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」(ユニセフ)、そしてこの「こどもの権利」を守り、医療に関わる全てのこどもの命と健やかな成長を守る施設として活動することを宣言いたします。
- 人として大切にされ、自分らしく生きる権利があります。
- こどもにとって一番よいこと(こどもの最善の利益)を考えてもらう権利があります。
- 安心、安全な環境で生活する権利があります。
- 病院などで親や大切な人といっしょにいる権利があります。
- 必要なことを教えてもらい、自分の気持ち・希望・意見を伝える権利があります。
- 希望通りにならなかったときに理由を説明してもらう権利があります。
- 差別されず、こころやからだを傷つけられない権利があります。
- 自分のことを勝手にだれかに言われない権利があります。
- 病気のときも遊んだり勉強したりする権利があります。
- 訓練を受けた専門的なスタッフから治療とケアを受ける権利があります。
- 今だけではなく将来も続けて医療やケアを受ける権利があります。
- 親やきょうだいががんになったこどもも上記が保証される権利があります。
【確認日:2024年5月20日】
患者さんへのお願い
1.医療に主体的に参加する気持ちをお持ちください。
患者さんが病気や診療の内容を正しく理解し、自ら医療に参加する気持ちを持つことは、安全で効果的な医療につながります。ご自身の病気や受ける診療の内容などでわからない点については、納得できるまでご質問ください。それでもわかりにくい、あるいは職員の説明が不十分と感じた場合には、「よろず相談」や「患者家族支援センター」をご利用ください。
2.ご自身の病気や健康について知っていることを正しくお伝えください。
安全かつ最適で最善の医療を行うために、症状、これまでの治療経過や薬など、ご自身の病気や健康に関する情報を職員に正しくお伝えください。また、これまでにかかった医療機関からの診療情報提供書(紹介状)には貴重な情報が含まれていますので、できる限りお持ちください。
3.快適な療養環境を維持するため、病院の規則をお守りください。他の患者さんの立場やプライバシーを尊重してください。
病院には多くの患者さんがおいでになり、職員も多数勤務しています。病院の規則を守り、これらの人々に迷惑となるような行為や診療の妨げとなる行為は慎んでください。指定された場所以外での携帯電話の通話はご遠慮ください。特に以下の事項は固くお断りします。お守りいただけない場合は、診療をお断りすることがあります。
・他の患者さん・ご家族や職員への暴力行為、もしくはその恐れが強い行為
・他の患者さん・ご家族や職員に対し、大声、暴言、脅迫的な言動により迷惑を及ぼすこと
・職員にみだりに接触すること、セクシュアルハラスメントやストーカー行為
・病院内および敷地内での喫煙、飲酒、火器の使用、刃物を含む危険物の持ち込み
・病院内での無断の写真・動画の撮影
4.危険の回避と事故防止にご協力をお願いします。
私たちは、医療事故をはじめとし、起こり得るさまざまな事故を未然に防止するため、最大限の努力を続けています。これには、患者さんやご家族の協力も大切です。病院からお渡しする印刷物などに個人名が書かれている場合には、間違いなくご自分のものかをご確認ください。職員の説明、検査や処置の予定やその内容、お渡しする薬などについて疑問に思われる点があれば、ただちに職員にお尋ねください。また、病院内や当院の敷地内で危険な状況を見聞きした場合は、職員にお教えくださるようお願いします。
5.静岡がんセンターに対するご意見や苦情をお教えください。
私たちは、患者さんやご家族のご意見や苦情を大切にしています。ご意見や苦情がありましたら、職員や「よろず相談」にお伝えください。対面で伝えにくい場合は「ご意見箱」を設置していますので、そちらに投書してください。いただいたご意見は、医療の質・安全管理室で必要な調査をした上で、がんセンター幹部が対応についての検討を日々行っています。
また「よろず相談」では、病院部門からは独立した中立の立場でご意見や苦情を伺いますので、職員とのトラブルなどについてもお話しください。いずれの場合も匿名でご意見や苦情を伝えることも可能ですので、安心してご意見・ご相談ください。
6.研究や医学教育にご理解とご協力をお願いします。
静岡がんセンターでは、がん医療に関するさまざまな研究を行っています。これらの研究には、患者さんの診療情報や検体試料等が不可欠です。研究は倫理審査委員会の承認のもと、関係法令や指針に従って行われ、特に患者さんの個人情報は厳重に守られます。また、静岡がんセンターでは熟練者の指導のもとで、医療従事者の研修や学生実習を実施することがあります。これらの研究や医学教育は、将来の医療の発展には欠かせない大切なものと考えています。ご理解とご協力をお願いいたします。なお、これらの研究や教育にご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。
7.静岡県職員の倫理に関する条例により、職員への心づけを固く辞退します。
【更新日:2024年5月20日】
職業倫理指針
- 私たちは、職業の尊厳と責任を自覚し、品位を保持し自らの人格の向上に努めます。
- 私たちは、医療の公共性を重んじ、関係法規や指針等を遵守し、公平で公正な医療を提供します。
- 私たちは、一人一人の患者さんの人格を尊重し、常に患者さんの尊厳を守ります。
- 私たちは、患者さんから学ぶ姿勢を堅持し、患者さんの視点を重視した全人的医療の実践に努めます。
- 私たちは、各職種の専門性と自立性を尊重しつつ、お互いに協力し、真に患者さんに役立つ成熟した多職種チーム医療を推進します。
- 私たちは、自己研鑽と医療水準の向上に努めます。
【確認日:2024年5月20日】
臨床倫理指針
医療機関における倫理的課題は、「臨床倫理」と「研究倫理」に大別されます。静岡がんセンターがその診療において、患者さんの権利を保護し、最善の医療を提供するための指針を「臨床倫理指針」として示します。この指針で解決困難な臨床倫理上の課題については、臨床倫理検討委員会をはじめとする多職種で構成される関係会議で十分審議します。なお、「研究倫理」については、3つの倫理審査委員会(臨床研究倫理審査委員会、企業治験倫理審査委員会、探索研究倫理審査委員会)で審議します。
- 私たちは、患者さんの人格・価値観を尊重し、人としての尊厳を守ります。
- 私たちは、患者さんの利益を尊重し、あらゆる差別のない公正で最善の医療を提供します。
- 私たちは、患者さんに丁寧に説明するとともに十分な情報を提供し、自己決定権を尊重します。何らかの理由で意思決定が困難な患者さんについては、職員が必要な支援を行います。
- 私たちは、患者さんのプライバシーを尊重し、個人情報を保護するとともに、守秘義務を守ります。
静岡がんセンターでは、上記の臨床倫理指針を具体的に運用するために、以下のガイドライン、指針、規程、マニュアルなどを定めています。
- 静岡がんセンターにおけるインフォームドコンセントのガイドライン
- 意思決定支援の指針
- 身寄りのない患者の意思決定支援マニュアル
- 認知機能低下があることが癌の精査・治療に支障を生じる可能性が高い患者への対応マニュアル
- 緩和ケアマニュアル
- 終末期がん患者におけるDNARガイドライン
- 認知症ケアマニュアル
- 身体抑制マニュアル
- 個人情報保護方針
- 個人情報利用目的
- 診療情報管理規程
- 宗教上の理由による輸血拒否への対応についてのガイドライン
- 児童・高齢者虐待対応マニュアル
【確認日:2024年5月20日】
静岡がんセンターのポリシー
宗教上の理由等による輸血拒否に関する静岡がんセンターの方針
- 宗教上の理由等によって輸血を拒否する考えは、人格権を構成する信教の自由に基づくものであることを理解し、尊重します。
- 一方、患者の命を救うことが医師としての基本倫理です。当院は、いかなる場合でも輸血はしないという「絶対的無輸血」の方針は採用しません。当院は、患者の意思を尊重し、輸血以外の治療方法を用いて最大限の診療努力をいたしますが、容態により患者の救命のために輸血が必要不可欠と判断される場合には、患者自身の輸血拒否の意思表示にかかわらず、患者の同意を得ず、当院の判断により輸血を実施します。患者自身が幼少・高齢・意識障害などにより輸血の必要性に関する理解・判断・意思表示が困難で、ご家族が輸血に同意されない場合でも同様です。
- 上記の当院の方針についてご了解いただけない場合には、残念ながら当院での治療継続は困難です。転院を含めてご検討くださいますようお願い申し上げます。
【確認日:2024年5月20日】