よせられた質問及び回答集(放射線治療と陽子線治療-副作用を減らすには)

2005年度 市民公開講座第3回(2005年12月24日実施)

 陽子線治療は抗がん剤治療に変わる医療になるのでしょうか?
 陽子線治療は局所治療です。多くの場合、抗がん剤投与による全身化学療法とは目標が異なります。
 陽子線治療のときにも皮膚のびらんができやすいのですか?
 皮膚への線量が一定のレベルを超えると、相応の反応として一時的な湿性皮膚炎(びらん)が生じることは陽子線治療でも同じです。
 IMRT(強度変調放射線治療)、呼吸同期照射は、主にどこのがんに有効ですか?
 IMRTは頭頸部がんや前立腺がんに実施されている施設があります。呼吸同期照射は肺や肝臓の陽子線治療で用いられています。
 放射線治療は再発などがあった場合、繰り返し受けることができるのでしょうか?
 正常の組織や臓器・器官が耐えられる限度(耐容線量)が知られており、それを越える照射は重い後遺症発生の可能性を高めると推定されるので、特別な事情がない限りは通常は行いません。
 放射線治療を受ける場合、患者として何について確認したら良いでしょうか?
 一般的にはご自身が受ける放射線治療の目標、治療方法、予測される副作用(有害反応)などを、担当の放射線治療医から治療開始前によく説明を受けることが基本です。
 頭頸部に放射線治療を受けたのですが、唾液分泌障害や嚥下障害などの後遺症があります。この後遺症は治らないのでしょうか? また、なにか良い対処法がありますか?
 通常分割法で60G/30回の線量が耳下腺などの大唾液腺全体に投与されると、唾液分泌機能の回復は期待できません。顎下腺や舌下腺への線量とも関係しますが、頭頸部の放射線治療に伴う口腔乾燥症状の改善に対して適応をもつ塩酸ピロカルピン製剤が最近承認されました。ただし狭心症や喘息など心臓や肺に疾患をお持ちの患者さんには使用できません。
 静岡がんセンターでは、今後、小線源治療を導入する予定はありますか?
 高線量率小線源治療装置が設置されています。ご質問は早期前立腺がんに対する「低線量率線源による組織内小線源治療法」のことと思われますが、ヨード-125線源永久刺入治療法関連装置に対する予算を請求中です。

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