化学療法・支持療法センター

外来化学療法は新薬導入に伴い、実施件数は年々増加しています。その状況下で化学療法センターはベッド数54床で1日約110~180件、月平均2500件前後の治療を行っています。全診療科の化学(薬物)療法に関わり、化学(薬物)療法の基礎知識から化学(薬物)療法看護を学ぶことができます。支持療法センターのベッド数は16床で予定および当日の体調に合わせて必要となった点滴や注射、輸血や処置の対応などがん医療における支持療法全般を担っています。自宅で過ごすメリットを最大限に感じられるように、症状マネジメントや心のケア、家族支援を大切に日々看護に取り組んでいます。

治療・看護の特徴 学べる看護
化学療法センターでは、化学(薬物)療法の安全な投与管理を最優先に考え、外来患者の治療支援を行っています。全患者に担当看護師がおり、化学(薬物)療法の副作用症状への支援や不安の軽減をはかるとともに、患者・家族が治療に参加しセルフケアができるように関わっています。その他、患者は仕事や家庭生活を送りながら治療を受けるため、支持療法を行い、個別的な相談に応じています。必要時はPFSCや在宅支援等にコンサルトし連携を図っています。外来患者ががん治療を受けながらも生活の質(QOL)を維持できるように患者・家族の思いを大切にしています。 ・化学(薬物)療法を受ける患者の看護
・胸腔穿刺・腹水穿刺を受ける患者の看護
・ホルモン療法を受ける患者の看護
・輸血を受ける患者の看護
・在宅療養に必要な処置や指導

部署の重点的な取組と成果

取組 内容 成果
確実な投与管理のための教育 ・教育パスに沿った教育体制
・新レジメンの勉強会
・流量間違い対策のプロジェクト
・レベル0のインシデント報告の強化による医療安全優先の風土づくり
・疑義紹介のシステムづくり
・統一した指導体制の確立
・点滴速度間違いのインシデント件数の減少
・レベル0のインシデント報告の増加と医療安全への意識向上
多職種チーム医療の促進 ・チーム内での相談、カンファレンス
・薬剤師・栄養士へのコンサルト
・血管外漏出時の皮膚科へのコンサルト
・在宅療養の調整、在宅支援室への連携
・チーム内での情報共有の充実
・多職種カンファレンスの実施
・速やかな適切な処置の実施
・円滑な社会資源の導入が可能

部署の雰囲気

 化学療法センターは経験年数5年目以上の中堅看護師が配属され、子育て中の30~50代の看護師が多く所属しています。そのため家庭的な温かさがあり相互の思いやりを大切にしています。医師や看護師以外にも薬剤師や栄養士が常駐しており、必要時には相談できすぐに支援・介入できる体制になっています。外来部門でも担当患者と継続的な関わりをすることから信頼関係が深まり、外来看護や化学(薬物)療法看護において多くの学びが得られるやりがいのある部署です。また、がん化学(薬物)療法看護認定看護師が3名在籍しており、専門的な立場からのアドバイスを受けることもできます。支持療法センターは診断から治療中、緩和ケアまで幅広い病期の患者に対応し、患者・家族が安心して在宅療養を継続できるように支持療法及び様々な処置や指導を行っています。限られた時間で優先度の高い看護を提供する必要があるため、アセスメント能力が向上すると共に看護師の力量を最大限に発揮できます。

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