主な診断方法・治療法・手術件数

主な診断方法

PSA検査

血液を用いた前立腺がんの腫瘍マーカーです。検診やドックで行うPSA検査はふるい分けに使われており、基準値を超えている場合には、がんの疑いがあるとして画像検査などの精密検査を行います。またPSA検査は体に負担が少ない血液検査で、精度も高いことから、治療効果の判定や再発の早期発見にも活用されています。

画像検査(腹部超音波検査、CT、MRI)

腎がんは検診やドックの腹部超音波検査などで発見される場合が多く、CTまたはMRIで診断します。腎盂がんや尿管がんは血尿がきっかけで精密検査が始まり、CTで診断します。精巣腫瘍では精巣の超音波検査が行われます。
膀胱鏡検査:尿道や膀胱のがんが疑われる場合には、尿道から直径6mmほどの金属製の筒を挿入し、そこから膀胱鏡で尿道や膀胱内を観察する膀胱鏡検査を行います。組織をとって病理検査をする「生検」を行なうこともあります。

主な治療方法

転移の無い腎がん

外科的摘出が唯一の治療方法です。腫瘍の大きさにより、患側の腎臓を摘出する腎摘除術か、腫瘍部分だけを摘出し、患側腎を温存する腎部分切除を行います。腫瘍の大きさ、術式で、腹腔鏡下手術か開腹手術を実施します。

転移のある腎がん

切除可能であれば、原発である腎臓は摘出します。その後転移巣に対して分子標的薬による薬物療法を実施します。分子標的薬は現在日本で6種類あり、5種類は経口投与、1種類は点滴投与です。病期病気の状況やそれまでの治療履歴を検討し、適切な薬剤を選択します。

転移の無い腎盂がん、尿管がん

患側の腎尿管を摘出します。腫瘍の大きさ、リンパ節郭清の重要度により、腹腔鏡手術か開腹手術を選択します。

転移のある腎盂がん、尿管がん

腫瘍縮小を目標に薬物療法を行います。現在有効性が認められている薬剤はほとんど点滴投与です。外来で投与可能な抗がん剤もありますが、主に抗がん剤投与中は入院して治療しています。

転移の無い膀胱がん

転移の無い膀胱がんは、膀胱壁の筋層にがんが及ぶかどうかで治療が変わります。

筋層非浸潤膀胱がん

経尿道的膀胱腫瘍切除術(内視鏡切除)を行い、がんの状況によって、抗がん剤膀注療法や、BCG膀注療法を追加することがあります

筋層浸潤膀胱がん

標準治療は膀胱全摘です。膀胱全摘は比較的体への負担が大きな手術になりますが、何より大きな問題は、術後排尿の方法が変わることです。膀胱全摘後の尿路再建は、回腸新膀胱増設術か、回腸導管増設術で行います。回腸新膀胱増設術は、回腸を50-60cm遊離し、これを袋型に縫い上げて新しく膀胱を作る手術で、術前と同じように尿道からの排尿が可能です。回腸導管は回腸を15cmほど遊離し、臍の横に尿の出口を新たに作る方法で、術後は腹部に袋を貼って集尿、排尿します。どちらの術式を選択するかは、膀胱がんの状況にもよりますし、患者の希望で決定することもあります。

転移のある膀胱がん

薬物療法で腫瘍の縮小を目指します。投与する薬物は腎盂尿管がんに用いる治療と同じです。

転移の無い前立腺がん

がんの状況によっては生命予後を左右しないがんと判断した場合は、無治療経過観察を選択することもあります。積極的治療としては、ホルモン療法、放射線療法、手術があります。放射線療法が外照射と内照射があり、単独で治療したり、ホルモン療法と併用で治療したりします。外照射は適応範囲の広い治療ですが、通院で二ヶ月程度かかります。内照射は小線源療法とも言われル治療で、3泊4日程度の入院で、長期連日通院は不要ですが、外照射に比べると適応範囲が狭い治療です。外科的切除はおもにロボット支援前立腺全摘術を行います。

転移のある前立腺がん

まずはホルモン療法を行います。ホルモン療法が効かなくなった患者には、患者の体力に問題がなければ、抗がん剤化学療法を行います。投与は点滴で外来治療です。また新たなホルモン療法の薬が近年相次いで保険承認され、広く用いています。

転移の無い精巣腫瘍

精巣を外科的に摘出します。摘出精巣の病理所見をみて、セミノーマであれば再発予防の放射線治療、非セミノーマであれば再発予防の抗がん剤化学療法を実施することもありますが、再発しても治癒可能な疾患であるため、厳重経過観察を選択する患者が多いです。

転移のある精巣腫瘍

抗がん剤化学療法で治療をします。セミノーマでリンパ節転移だけで、転移のサイズが大きくなければ 放射線治療も選択可能です。精巣腫瘍は転移があっても根治可能な疾患として有名ですが、肺転移2cm 5個以内 後腹膜リンパ節転移5cm以内であれば、適切な治療を実施することで95%の患者が寛解します。しかし、適切な治療が条件ですので、至適な薬物による抗がん剤化学療法と、化学療法後残存腫瘍がある場合は外科的摘出が必要な疾患です。

手術件数 平成27年1月~12月

手術名 件数
腎(尿管)悪性腫瘍手術(全摘術) 54
腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 22
膀胱悪性腫瘍手術 28
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術) 237
前立腺悪性腫瘍手術 70
 ロボット手術 67
その他 35
合計 446

*kコードによる分類

泌尿器科

泌尿器科