主な診断方法・治療法・手術件数
主な診断方法
画像診断(MRI、CTスキャン、PET-CT)
腫瘍の良性・悪性の鑑別や、がんの広がりを調べます。
気管支鏡
口から気管支鏡を挿入して気道の細胞や組織を採取し、良性・悪性の診断やがんの種類(組織型)を確認します。また、がんの気道内の広がりを確認したり、気道狭窄に対する気管支内治療 のために行う事もあります。
CT下経皮生検
CTを見ながら、細胞や組織を採取し、病理診断で良性・悪性の診断やがんの種類(組織型)を調べます。
病理診断
病理診断:治療法の選択や治療効果の判定のため、気管支鏡やCT下生検、外科的生検などで採取した細胞や組織を調べます。
主な治療法
原発性肺がん
外科治療の対象のみ以下、記載します。
Ⅰ期非小細胞肺がん
手術。 病理病期ⅠA3期は、術後補助化学療法。
(UFT2年間内服)
Ⅱ期非小細胞肺がん
手術。病状に応じて術前薬物療法を検討する、また、EGFR遺伝子変異とPD-L1発現の有無により術後化学療法を検討する。
(UFT、シスプラチンを含む多剤併用化学療法、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、抗PD-L1抗体の中から組み合わせ選択)
ⅢA期非小細胞肺がん
病状に応じて手術+術前もしくは術後の薬物療法を検討する。
(シスプラチンを含む多剤併用化学療法、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、抗PD-L1抗体の中から組み合わせ選択)
ⅡB期、ⅢA期の胸壁浸潤肺がん
導入化学放射線治療+手術
Ⅰ期小細胞肺がん
手術+術後補助化学療法(シスプラチンを含む多剤併用化学療法)
※但し、病状に応じて最適な治療法を常に検討して治療致します。
転移性肺腫瘍
原発巣の主科を含む治療グループのカンファレンスを通して、手術適応を決めています。
原則として
1.原発巣がコントロールされている。
2.予定手術で全病変の切除が可能である。
3.肺以外に遠隔転移がない、或いはコントロールされている。
4.全身状態が手術に耐えられる。
の適応の元、積極的に切除を行っています。
また、近年では化学療法により腫瘍を小さくした後に切除を行うコンバージョン手術も行っています。
縦隔腫瘍
基本的には切除です。胸腔鏡下切除や胸骨正中切開切除を行っています。2013年からはロボット支援手術(ダヴィンチ)も行っています。胚細胞腫瘍では、泌尿器科と協力して治療方針を検討し、化学療法は泌尿器科で行っています。
悪性胸膜中皮腫
臨床病期Ⅰ期、Ⅱ期に対して導入化学療法+手術(胸膜切除/肺剥皮術或いは胸膜肺全摘術)+胸膜肺全摘術の場合は術後片側全胸郭照射を行っています。
手術件数 2022年1月~12月
疾患別手術名 | 件数 |
原発性肺がんに対する肺切除術 | 292 |
胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 | (197) |
転移性肺腫瘍に対する肺切除術 | 79 |
縦隔腫瘍手術 | 22 |
その他 | 43 |
合計 | 436 |
原発性肺がんに対する術式名 | 件数 |
肺全摘術 | 1 |
肺葉切除術 | 208 |
気管支形成術 | (6) |
区域切除術 | 49 |
楔状肺部分切除術 | 23 |
その他 | 11 |
合計 | 292 |