主な診断方法・治療法・手術件数

主な診断方法

画像診断(ダーモスコピー、PET-CT、特殊な超音波検査)

早期診断が困難な皮膚がんや転移巣を非侵襲的に(切ったり、刺したり、痛みや苦痛のない)診断をすることができます。

病理診断

センチネルリンパ節生検により転移の早期診断や手術の簡略化(縮小化)を図ります。

遺伝子解析

治療予測、副作用予想、予後予測などにも応用予定です。
また新規抗がん剤の効果(または適応)の有無をあらかじめ抗がん剤投与前に調べることが可能です。
遺伝子パネル検査も積極的に行っています。

主な治療法

悪性黒色腫(メラノーマ)

いわゆる「ほくろのがん」と呼ばれているものです。悪性度は高く、進行するとリンパ節や他臓器に転移しやすいがんの一つです。手術治療、薬物療法、放射線治療を組み合わせた治療を行います。手術後の補助療法として、また手術が難しい症例においても数多くの薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬治療やBRAF+MEK阻害薬による分子標的的治療)を用い治療を行っています。

有棘細胞がん(皮膚扁平上皮癌)

紫外線の影響を受けた頭皮や顔面皮膚に発生することが多く皮膚がんで二番目に多いタイプです。外傷やウイルス、慢性の炎症などが原因になることもあります。多くの症例は手術で治りますが進行例に対しては薬物療法や放射線治療で治療します。

基底細胞がん

皮膚がんで最も多いタイプで顔面に好発します。手術治療で完治が望めますが腫瘍サイズが大きい場合や発生部位によっては傷跡が目立つこともあります。転移は非常に稀です。

乳房外パジェット病

外陰部や肛門周囲などに好発する皮膚がんです。手術治療が第一選択ですがリンパ節転移を来す場合もあり放射線治療や薬物療法を追加することもあります。

メルケル細胞がん

高齢者の顔面に認められる稀な腫瘍です。ウイルスが関与している場合もあります。手術治療や放射線治療などの局所治療や転移を認めた症例では免疫チェックポイント阻害薬を用いることもあります。

血管肉腫

高齢者の頭部に発赤することが多く、全肉腫に1%程度の頻度です。高い確率で肺などの臓器に転移することが多く、治療は放射線治療と薬物療法を組み合わせて行います。

日光角化症・ボーエン病

がんになる手前の前がん状態(日光角化症)や早期の皮膚がん(ボーエン病)です。切除や外用療法、凍結療法などが治療の選択肢です。

手術件数 2022年1月~12月

手術名 件数
皮膚、皮下腫瘍摘出術 44
皮膚悪性腫瘍切除術 137
 センチネルリンパ節生検術 16
その他悪性腫瘍切除術 3
植皮術 5
皮弁作成術、移動術、切断術、遷延皮弁術 2
リンパ節郭清術 6
リンパ節摘出術 11
その他 5
213

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皮膚科

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