主な診断方法・治療法・手術件数
主な診断方法
心臓MRI検査
心臓の機能や心筋の状態を評価することができます。
冠動脈造影検査
カテーテル検査は他院にお願いしていますが、癌の治療を遅らせないためできるだけ早く検査して戻ってこれるよう近隣の病院と連携して対応しています。
心臓CT検査
冠動脈造影検査のように血管内にカテーテルを挿入することなく冠動脈の狭窄や閉塞などの情報を高い精度で得ることができます。320列を採用していますので、不整脈に左右されることなく1心拍で正確な画像を得ることができます。
心筋負荷シンチ検査
静脈に放射性同位元素を注射し、放出される放射線を撮影して、心臓の血液の流れを画像に映し出す検査です。冠動脈だけでなく、心筋の中の細い血管などの血液の流れを調べることができます。
心臓超音波検査
放射線や造影剤を使用することなく、心臓の形状や機能を調べます。
心臓PET検査
心筋の生存および壊死などの状態がわかります。また心臓サルコイドーシスなどの診断にも有用です。
主な治療法
冠動脈疾患
カテーテル検査や治療は近隣の病院にお願いしていますが、がん患者さんの場合は癌による出血や、近々がんの治療で抗血小板薬(血をサラサラにする薬)を継続できない場合もありますし、がん治療の状況、冠動脈疾患の緊急性と重症度を鑑み、どのような治療をどういう順番で行うのが患者さんにとって一番良いか、がんの主治医と相談しながら紹介のタイミングなどを決めていきます。
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)
飲み薬、皮下注射、持続点滴など、血栓症の重症度に応じて血栓を溶かす治療を行います。場合によっては血栓溶解薬を使用して肺動脈、あるいは下肢の静脈内の血栓を溶かして縮小させる治療を行います。血管の中にフィルター(下大静脈フィルターといいます)を留置し、血栓が肺に飛んでいくのを防ぐ治療をすることがあります。フィルターにもいくつか種類があり、患者さんごとに使い分けています。
心不全(薬剤性心筋障害など)
呼吸困難などの重篤な症状の場合は入院の上で治療を行います。病状が安定したら、心筋シンチ、心臓MRI、冠動脈造影などの検査により、原因を特定し治療を行います。抗がん剤による薬剤性心筋障害の場合は、がんの治療担当医とよく相談の上で心不全治療薬の調節を行い、退院後も外来で併診させていただきます。
不整脈
抗不整脈薬を中心とした治療を行います。また徐脈(脈が遅くなることです)の患者さんに対して周術期に一時的ペースメーカー留置を行うこともあります。アブレーションや永久式ペースメーカーの植込みは近隣の病院へお願いしています。
高血圧(薬剤性高血圧を含む)
降圧薬による治療を行います。とくに分子標的薬の影響で血圧が上昇している場合は、がんの治療を継続させるために積極的に降圧治療を行っています。
転移性心臓腫瘍
心膜転移による心タンポナーデに対しては心嚢ドレナージを行います。心筋転移に対しては基本的に主科による抗がん剤治療となりますが、転移による影響の不整脈や心不全には病状に応じたできる限りの薬物治療を行います。
原発性心臓腫瘍
心臓に発生する腫瘍は非常にまれですが、当院では超音波検査、CT、MRIなどで診断を行っています。抗がん剤治療や放射線治療を行います。