対症療法について

- 薬剤を使用した対症療法について説明します -

 末梢神経障害は、抗がん剤の影響以外の原因でも起きることがあります。したがって、抗がん剤治療中に症状があれば、何が原因かをはっきりさせ、適切な処置を受けるためにも、まず医療者に相談することが大切です。
 抗がん剤によって出現する末梢神経障害に関しては、その原因や症状はわかっていても、症状の増強の予防や治療のための有効な方法が確立されていないのが現状です。症状が悪化した場合は、原因となる薬物の減量や中止をするのが一般的です。
 一方、効果の科学的根拠は証明されていませんが、実際の診療において、「症状がやわらいだ」と患者さんから反応がある薬剤もありますので、それらについて簡単に述べておきます。なお、味覚障害や嗅覚障害は、薬での対処は難しいので、食事などの工夫が必要となってきます。

《抗うつ薬》 *代表的な薬物を記載しています
・デュロキセチン塩酸塩カプセル(サインバルタカプセル)
・アミトリプチリン(トリプタノール、ノーマルン)
・イミプラミン(トフラニール、イミドール糖衣錠)
・クロミプラミン(アナフラニール)
痛みに対して使用されることがあります。抗けいれん薬と同じように薬剤性の末梢神経障害には保険適用になっていません(2020年2月現在)。効果も人によって異なります。
《抗けいれん薬》 *代表的な薬物を記載しています
・ガバペンチン(ガバペン、レグナイト)
・カルバマゼピン(テグレトール、カルバマゼピン、レキシン)
・フェニトイン(アレビアチン)
・バルプロ酸ナトリウム(デパケン錠、デパケンR錠、デパケンシロップ、サノテン錠など)
・クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)
痛みに対して使用されることがあります。本来ならてんかんに対して処方される薬で、薬剤性の末梢神経障害には保険適用になっていません(2020年2月現在)。効果も人によって異なります。
《鎮痛薬(麻薬性鎮痛薬、非ステロイド系抗炎症薬)》
痛みや感覚異常に対して使用されることがありますが、人によっては効果が得られない場合があります。
《疼痛治療剤》
・プレガバリンカプセル(リリカカプセル)
・ミロガバリン(タリージェ)
末梢神経から中枢神経へ痛みを伝える伝導物質の過剰放出を抑え、神経障害を和らげます。服用中はめまい、眠気などの副作用に注意が必要です。めまい、眠気などを自覚した時は、車の運転はしないようにしましょう。
《漢方薬》
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
しびれの症状に対して使用されます。効果は人によって異なります。
《ビタミン剤》
・ビタミンB12
しびれの症状に対して使用されます。効果は人によって異なります。

薬の服用は自己判断で増加したり減らしたりしないようにしましょう。また、この他に日常生活の中で悪化防止やそのための工夫をしていくことも大切です。そのことについては、次のページから述べていきます。

抗がん剤治療と末梢神経障害

抗がん剤治療と末梢神経障害