【掲載論文】タッチケアとアロマテラピーの併用療法の安全性と有用性の研究

2026年9月29日
研究所 診断技術開発研究部長 浦上研一
診断技術開発研究部 玉井英子
病院 支持医療科部長 内藤立暁(責任著者)

 化学療法や放射線療法を受けているがん患者さんは、吐き気、皮膚の発疹、脱毛、手足の冷え、不眠、倦怠感、痛みなど、治療や疾患そのものによる副作用に悩まされており、こうした負担を和らげ、患者さんの療養生活を支える支持療法の充実が重要となっています。タッチケアやアロマセラピーは、がん患者さんの身体的・心理的負担を和らげるケアとして、その活用が期待されていますが、その評価は患者さんの主観的な感覚に基づくことが多く、科学的に評価した研究は十分ではありません。そこで本研究では、これらの症状を緩和し、生活の質を向上させることを目的として、胸部悪性腫瘍患者さん87人を対象に、両足への20分間のタッチケアとアロマセラピーの併用療法を試みました。

<結果>

<患者さんからのフィードバック>

 本研究の大きな特徴は、「気持ちがよい」「リラックスした」といった主観的な感覚だけでなく、自律神経活動とストレス関連物質などの生体指標を用いることで、リラクゼーションに伴う変化を科学的・客観的に評価した点にあります。今回の結果は、がん患者さんの身体的・心理的負担を和らげるケアを、科学的な根拠に基づいて評価していくための重要な知見になると考えられます。一方、本研究は比較対照群を設けない前向き単群研究であるため、今回認められた変化については、さらなる検証が必要です。今後は無作為化比較試験などを通じて有効性を検証し、がん患者さんの身体的・心理的負担を支える、安全で科学的根拠に基づいた支持療法への発展を目指します。

▶掲載論文概要

雑誌名 Asia-Pacific Journal of Oncology Nursing
タイトル (欧文)Feasibility and safety of combined touch care and aromatherapy in hospitalized patients with thoracic malignancies: A prospective single-arm study
(日本語表記)胸部悪性腫瘍の入院患者におけるタッチケアとアロマセラピーの併用療法の実現可能性と安全性:前向き単群実現可能性研究
(略称表記)「タッチケアとアロマテラピーの併用療法の安全性と有用性の研究
筆頭著者 Eiko Tamai 玉井 英子(静岡県立静岡がんセンター 研究所診断技術開発研究部)
責任著者 Tateaki Naito 内藤 立暁(静岡県立静岡がんセンター 支持医療科
共同著者 Eiko Tamai 静岡県立静岡がんセンター 研究所 診断技術開発研究部
Yumi Oguma 静岡県立静岡がんセンター 患者家族支援センター
Akifumi Notsu 大分県立看護科学大学 健康情報科学研究室
Taro Okayama 静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科
Sakiko Aso 静岡県立静岡がんセンター 認定看護師教育課程
Ayumu Morikawa 静岡県立静岡がんセンター 臨床研究支援センター
Masayo Kaneko 静岡県立静岡がんセンター 看護部
Hirotsugu Kenmotsu 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Haruyasu Murakami 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Kazutoshi Sakurai 静岡県立静岡がんセンター 研究所 診断技術開発研究部
Kenichi Urakami 静岡県立静岡がんセンター 研究所 診断技術開発研究部
Toshiaki Takahashi 静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科
Masatoshi Kusuhara NTT東日本伊豆病院
Tateaki Naito 静岡県立静岡がんセンター 支持医療科
掲載日 2026/5/12
URL https://doi.org/10.1016/j.apjon.2026.100973/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42376613/

診断技術開発研究部

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