よせられた質問及び回答集(不安を覚えたら、どう対処する?)

2005年度 市民公開講座第4回(2006年1月14日実施)

 どのような経緯で精神腫瘍科を受診するケースが多いのでしょうか?
 各一般診療科の医師からの初診依頼が最多で8割を占めます。その他、看護師、心理士の順になります。精神科というと名前に敷居の高さを感じられる方もいらっしゃるので、受診前に主治医に精神腫瘍受診の必要性について確認をとっていただいています。
 あまりひどくない状態で精神腫瘍科を受診しても良いのでしょうか?
 「念のため」の受診は歓迎されるべきでしょう。薬物治療が不要と判断された場合には、また必要を感じた時に再診すればよいのです。基本的にはごく軽症であれば、周囲の方々のサポートで十分対応できます。
 不安な状態が続く場合、うつ病と診断されるのはどの位の期間が目安でしょうか?
 診断基準では2週間以上、うつ病の症状が持続していることが明記されていますので、この基準に準じて判断します。ただし、病名告知後の動揺が大きく、適切な支持的反応がなければ、うつ病に到達する可能性が高いと判断される場合もあるので、柔軟に判断しています。
 うつ病の治療には心と体の休養が大事だと伺いましたが、おおよそどの位の期間、休養が必要でしょうか? また、職場復帰までにはどの位かかるのでしょうか?
 早期発見と早期治療(対応)が重要です。対応が早いと回復も一般的には早いとされています。治療上、抗うつ薬などの薬物を投与して状態安定後数ヶ月してから、復職に移っていくのが標準的です。軽症ならば休職は不要ですし、中等症の場合の休職期間は3ヶ月くらいが目安でしょう。がんの場合、経過の中で様々なことが起き、ストレスが多彩になることがありますので、慎重に対応する必要があります。
 絶望の状態にある人にカウンセリングで共感を示すと、さらに迷路に入り、結果、自殺を考えるような方向にいってしまうことはありませんか?
 そのような場合は入院対応と考えられます。ゆっくり眠ることが必要かつ有効です。入院に拒否的な場合には、ご家族の確実な協力を要請します。会話するほどに悪循環に陥る場合、翌日に再診することも少なくありません。

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