レジデント向け情報

研修の特徴

当科が診療する主な疾患は肺がん、中皮腫、胸腺腫瘍です。これらの疾患の診断と化学療法を主体とした治療のみならず、緩和医療まで幅広くがん診療に携わることができます。前向き臨床研究や企業治験なども数多く行っており、エビデンスが確立されていく過程を実際に体験できます。さらに、当科は当院における一般呼吸器診療を担う役目もあり、がん患者さんの併存症としてのCOPDや気管支喘息などのアレルギー性疾患、合併症として生じる気胸や間質性肺疾患(薬剤性肺障害・放射線肺障害など)などの幅広い呼吸器疾患についてコンサルトを受けることが多く、一般呼吸器診療についても幅広く知識をもつことが必要とされています。呼吸器専門医・指導医も揃っており、がん診療に限らず幅広く呼吸器疾患について学ぶことができます。気管支鏡検査は年間600例ほど行っており、高い技術をもつスタッフより指導を受けることができます。気管・気管支ステントや焼灼術などのインターベンションも積極的に行っています。また、科内カンファレンスを週1回、外科・放射線治療科との合同カンファレンスを週2回行い、各症例の治療方針について検討を行っています。

これらの臨床研修だけでなく、各種自己研究(後ろ向き研究や前向き臨床試験、トランスレーショナルリサーチなど)について自らテーマを決めて取り組むことができます。また、国内学会やセミナーだけでなく、レジデント期間中に海外の学会にも参加することができます。

研修コースと研修内容

レジデントコース(2年、3年)、チーフレジデントコース(2年)、がん薬物療法専門医取得コース(1年、2年)、短期研修コース(3か月、6か月、1年など)が選択できます。レジデントコースは一般呼吸器科としての研修も経験された卒後3年目以降の先生を対象としており、当科で1年6ヶ月ほど研修を行い、それ以外の期間は主に消化器内科・女性内科(乳腺)・血液内科・病理診断科・放射線治療科などの他の診療科をローテートし、幅広くがん診療について学びます。チーフレジデントコースは卒後8年目以降の先生を対象としており、主として当科で研修を行いますが、3ヶ月間のみ他の診療科をローテート可能です。がん薬物療法専門医コースは卒後6年目以降の先生を対象にあらかじめ定められた診療科をローテートします(別途、募集要項をご参照下さい)。コースごとに、総研修期間や他の診療科を選択できる研修期間が異なりますが、呼吸器内科の研修内容においては大きな差異はありません。当科ではスタッフとペアとなり診療を行います。研修内容は研修して下さる先生のご希望に沿うことができます。

レジデントの声

児玉裕章 レジデントコース3年目(令和元年/平成31年より研修中)

私は平成31年度からレジデントコースとして勤務し3年目となります。当院のレジデントコースでは他科へのローテートを自由に組む事が可能なため、初期研修以降なかなか触れることのできない他診療科からのがん治療を勉強する機会を得ることが出来ます。私も3年のうち約1年間を他科ローテートに費やし、放射線治療科・病理診断科・緩和医療科などの肺癌診療に深く関わる科や、消化器内科・血液内科・女性内科などの他癌腫の診療を勉強させてもらいました。また、他科コンサルトもしやすく経験豊富なコメディカルの方々に勉強させて貰う事も多々あり、一人一人の患者さんを多方面からサポートする専門性の高いがん診療を提供できる環境が整っています。また呼吸器内科のスタッフの先生方は忙しい中でも時間を作って臨床面の指導や学会発表、論文作成などの学術面の指導を熱心に行ってくれます。私は赴任当初ほとんど発表・論文作成をしたことがなかったのですが、一緒に学会発表のテーマを考えてくれたり休日に時間をかけて論文や臨床試験のプロトコルの添削をしてくれるなどのサポートをしてもらいつつ日々勉強しています。熱意があればそれに全力で答えてくれ、充実した研修を受けられる事と思います。
 生活に関しても、医師数が充実している事もあり余裕をもって休みを取る事ができ、スタッフの先生方も子育てなどの理解が深い職場だと思います。旅行先も沼津、伊豆、熱海など豊富ですし、病院近辺は自然や公園も多く子育てもしやすい場所です。公私共に恵まれた環境があり、現在卒後6-8年目の若いレジデントも多く在籍し切磋琢磨しながら日々楽しく診療しておりますのでぜひ一度見学にいらしてください!

飯田由子 チーフレジデント1年目(令和3年より研修中)

私はこれまで主に大学病院で呼吸器疾患全般の臨床を経験し,大学院を卒業した後,さらに専門的な施設で肺癌診療の研鑽を積みたいと考え,静岡がんセンターでの研修を志願しました.現在2021年4月より呼吸器内科にチーフレジデントとして勤務させて頂いています.
 4月から現在まで約半年が経ちますが,すでに多くの症例を経験させて頂き,肺癌診療のエキスパートの先生方から日々の診療,カンファレンス,気管支鏡などの手技,臨床研究など様々なことを学ばせて頂いております.
 また私には現在1歳半の子供がおりますが,病院併設の保育園を利用しフルタイムで勤務しています.院内保育園は,病院の敷地内にあり送迎もしやすく,急な延長保育にも対応して下さり,大変助かっています.当科のスタッフ,レジデントの先生方も,育児に対してとても理解のある方ばかりで,多くの先生方に支えられ,安心して仕事と育児を両立することが出来ています.
 当院当科では,素晴らしいスタッフの先生方,切磋琢磨し合えるレジデントの先生と共に,専門的な肺癌診療をじっくり学ぶことができます.是非興味のある方は,一度見学にいらしてください.

堂下皓世 レジデントコース1年目(令和3年より研修中)

私は、卒後7年目の令和3年より医師レジデントコース(3年間)で静岡がんセンターに勤務しています。医局に属し大学院生の身でありますが、国内留学も兼ねて来ています。
赴任して最初の7か月を呼吸器内科で過ごし、まさにこれから他科のローテートを控えているところです。3年間の医師レジデントコースでは、1年間は呼吸器内科以外の診療科を回ります。ローテートのタイミングと期間は自由に選択、柔軟に変更することができます。肺癌だけに留まらない、幅広い癌腫の診療に関わりながら専門医取得のための経験を積むことが可能です。
私は赴任した一年目から、学会発表と論文執筆の機会をもらうことがきました。臨床研究や論文作成について、ほぼ初心者でしたが、スタッフの先生方は気さくで、日常診療での困りごとはもちろん、学会発表から論文作成も(手取り足取り、本当に基本的なことから)親切に指導してもらえています。また、同世代のレジデントの仲間が多く、互いに切磋琢磨しあい、たまに息抜きしつつ、メリハリある良い環境で勉強できています。
静岡は気候が穏やかで過ごしやすく、少し足をのばせば海・山・川の自然を楽しめます。美味しい食べ物がたくさんあります。ぜひ、一度見学にお越しください。

八角和大_短期レジデントコース在籍中(令和3年10月より研修中)

当院で呼吸器内科の短期レジデントとして勤務しています。これまで地域や都心部の急性期総合病院を中心に幅広い疾患を診る総合内科医、呼吸器内科医として勤務しておりました。まだこちらに勤務して間もないですが、がん診療に特化した当院ならではのメリットを日々感じております。当院には何より経験する症例の豊富さとダイナミックに進化している肺がん診療の最前線でエビデンスを作り、自然と知識をアップデートできる環境があります。そういった恵まれた環境でスタッフの先生方もレジデントも皆で臨床と学術的な活動を両立しているのが印象的です。
日常の診療においては、がんの患者を診ているという共通の視点や知識があるためか、各科の医師や看護師、コメディカルの方々とのコミュニケーションがとりやすく、非常に働きやすさを感じています。全体的に病院の雰囲気がレジデントにとってサポーティブな印象で、新しく勤務する身としてはとても助かりました。
がん診療を集中的に学びたいレジデントの先生は一度見学に来てみてください。そして自分のように短期レジデントからでも一緒に働いてみると、見学だけではわからない多くの発見があり充実した研修になると思います。

募集情報

呼吸器内科はいつでもレジデントを募集しており、受け入れ体制はできています。当科での研修をお考えであれば、診療風景を見て頂きたいと思いますので、是非一度見学にお越し下さい。当科レジデントが喜んでご案内させて頂きます。見学時期や見学期間について特に決まったものはありませんので、お気軽にご相談下さい。呼吸器内科一同、共に働くレジデントをお待ちしています!

呼吸器内科

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