日本放射線腫瘍学会第36回学術大会で「優秀論文賞」を受賞しました

2023年12月6日
放射線・陽子線治療センター長 西村哲夫
放射線・陽子線治療室 総括技師長 半村勝浩

11月30日から12月2日までの間に、パシフィコ横浜で開催された日本放射線腫瘍学会第36回学術大会において、常峰將吾(放射線・陽子線治療室主任、医学物理士)が、「2023年JRR誌優秀論文賞」を受賞しました。

日本放射線腫瘍学会第36回学術大会 JRR誌優秀論文賞

Tolerance levels of mass density for adaptive helical tomotherapy using MVCT 
Journal of Radiation Research, Volume 64, Issue 1, January 2023, Pages 195–201, 
https://doi.org/10.1093/jrr/rrac071

研究概要

 放射線治療は、がん病巣を狙って正確に放射線を照射することが非常に重要です。本研究は、患者さんの治療期間中に生じる体型や腫瘍の位置の変化に柔軟に対応しながら治療する「適応放射線治療」についての一つのアプローチ(方法論)を示しました。

 通常、放射線治療を行うにあたり、患者さんの体内の異なる組織(例えば、肺や骨)を治療計画装置に搭載されたCTで撮影し、その画像を基に放射線量を計算して治療計画を立てます。線量計算にあたり、特定の変換表を用いて撮影画像から組織の密度を算出しますが、この研究では、その変換表の精度を向上させるための新しい基準を考案しました。この基準を用いることで、肺や骨などの不均一な領域でも線量計算の精度を保証することが可能になり、さらなる放射線線量計算の質の向上につながることが期待されます。

受賞者から

 日本放射線腫瘍学会より大変名誉ある賞を頂きました。今後もこの分野における最新の技術や知見を取り入れ、患者さんに最良の治療を提供できるよう努めていきます。また、同僚や全国の研究者たちとの協力を通じて、放射線治療の進歩に寄与することを目指しています。この受賞を励みに、更に活動を続けていく所存です。

 

放射線・陽子線治療室
医学物理士 常峰 將吾

放射線・陽子線治療センター

放射線・陽子線治療センター