東松由羽子医師、第27回日本外科病理学会学術集会で「優秀演題賞」を受賞しました
2023年11月13日
肝・胆・膵外科部長 杉浦禎一
10月13日~14日、アスト津(三重県)で開催された、第27回日本外科病理学会学術集会において、肝・胆・膵外科の東松由羽子医師が優秀演題賞を受賞しました。
・受賞者:東松由羽子(肝・胆・膵外科レジデント)
・演題名:Conversion 手術を施行した膵神経内分泌癌の一例
<研究概要>
膵神経内分泌癌は稀な疾患であり、発見時には既に切除不能の事が多く、集学的治療については明らかになっていません。今回、局所進行切除不能であった膵神経内分泌癌に対して化学療法を行ったのちに手術を施行して術後1年無再発生存を得た症例を報告しました。病理組織学的検討では、(1)先行病変と思われる上皮内癌を認め、膵神経内分泌癌が膵癌の一亜型であるという事を示唆する点、(2)診断時は小細胞型であったのに対して切除標本では大細胞型が優勢となっており、小細胞型の癌細胞に化学療法が奏効した事を示唆する点、(3)切除標本ではソマトスタチン受容体の発現を高頻度で認め、ソマトスタチン受容体を標的とした治療が有効な可能性が示唆された点など、興味深い所見が得られた症例でした。
受賞者から
神経内分泌癌に対して化学療法後に外科的切除を行った報告は数例しかありません。集学的治療による変化を含めた詳細な病理組織学的所見が得られたことは報告の価値があり、神経内分泌癌という稀な疾患の発生や治療反応性について重要な示唆を与えうる症例と考えます。
肝・胆・膵外科 レジデント
東松 由羽子