肺機能検査
肺機能検査は、肺の大きさや息を吐く勢いなどを調べる検査です。
肺や気道の障害の程度や、呼吸困難の原因の鑑別に役立ちます。
また麻酔や手術時の呼吸管理が安全に行なえるかどうかの判定のため、手術前にもおこなわれます。
精密肺機能検査は、一般の肺機能検査(VC、FVC)に加えておこなう、より詳細な肺機能の検査です。
吸入試験では、気管支拡張薬の吸入前後に肺機能検査をおこない、気管支喘息と他の疾患との鑑別ができます。
検査項目 | 検査の説明・注意事項 |
肺機能 (VC、 FVC) 精密肺機能 (DLCO、FRC、CV) |
全ての検査は、鼻から空気が漏れないようにクリップでつまみ、マウスピースをくわえて、指示に従って、息を吸ったり吐いたりしていただきます。 数回繰り返して検査をすることもあります。 肺機能検査は10分ほどで終了します。 精密肺機能検査は30分~1時間ほどで終了します。 注意事項 ・患者さんの努力次第で結果に影響がでます。苦しいこともありますが、正確な検査結果を得るために検査に協力してくださいますようお願いします。 ・なるべく締めつけの少ない服装でお越し下さい。 ・精密肺機能検査(DLCO)を受けられる方は、検査結果に影響を与えるため、検査前の24時間は禁煙をお願いします。また、食事は検査の2時間前までにすませてください。 酸素吸入をされている場合は、5分以上吸入を中止した後に測定いたします。 ・76歳以上の方のDLCO検査では、FRCも検査します。 |
肺活量:VC | 空気を胸いっぱい吸い込んでそれをゆっくりといっぱいまで吐いたときの量を調べます。性別、年齢、身長から計算された予測肺活量の80%までを正常としています。 |
努力性肺活量:FVC | 胸いっぱいまで吸い込んだ空気をできるだけ勢いよく吐いたときの値です。この時最初の1秒間に吐くことができた空気の量を1秒量といい、1秒量を努力性肺活量で割った%が1秒率です。1秒率70%以上を正常としています。 |
肺拡散能:DLCO | 肺から酸素がどれだけ効率よく血液中に取り込まれているかを調べます。 |
機能的残気量:FRC | 肺の中に最大限空気を吸い込める量(全肺気量)や最大に吐き出しても肺の中に残っている空気の量(残気量)を調べます。 |
クロージングボリューム:CV | 通常では検出しにくい末梢気道の閉塞の程度を調べます。 |
吸入試験 | 気管支拡張薬の吸入前後に検査をおこない、薬の吸入により肺機能が改善するかを調べます。 薬の吸入時間も含めて30分~1時間ほどで終了します。 注意事項 ・薬剤の服用に関して、事前に主治医より説明があります。 |
以下の場合、医師に相談の上検査を中止することがあります。
・検査前の医師の指示や注意事項が守られていない
・気管切開を行っている
・結核などの空気感染が疑われる、または診断された
・内視鏡的経鼻胆管ドレナージ、経皮経管胆管ドレナージなど経皮・経鼻的にチューブが留置されている
・意思疎通が困難
・その他、検査者が検査困難と判断した場合
結果報告までの目安
検査当日。
検査結果は医師から説明があります。