「新規治療開発科」に関する説明会を開催します

製薬企業、医薬品開発業務受託機関(CRO)向け~
新設した「新規治療開発科」に関する説明会を開催します

2024年3月26日
静岡県立静岡がんセンター

 この度、新規抗悪性腫瘍薬(抗がん薬)の早期臨床開発をより安全に、かつ迅速に進めるため、「新規治療開発科」を新設(2024年4月1日設置)し、固形がんを対象とした、複数の診療科が関わる臓器横断的な早期臨床開発を専門とする実施体制を整えました。製薬企業や医薬品開発業務受託機関(CRO)を対象にした「新規治療開発科」に関する説明会を下記の要領で実施いたします。

 抗悪性腫瘍薬をはじめとする新規薬剤の早期開発(第Ⅰ相試験:Phase(フェーズ) Ⅰ(ワン)など)は、最初のステップとして重要であり、専門的知識と経験のある施設で行われています。しかしながら、国内で実施できる医療機関はまだまだ少ないのが現状です。今後、日本のがん患者さんに有効な新薬をいち早く届けるためには、ドラッグラグの問題を克服し世界と同じレベルの開発スピードが求められています。
 早期開発の初期段階であるPhase Iは、どのくらいの用量で、どのような副作用がどの程度出現するのかといった詳細な情報がないため、少量から薬剤を開始し、安全性が確認されたら、段階的に投与量を増やしながら副作用や有効性、薬物の吸収・代謝・排泄などの情報を収集し、適切な投与量・投与方法を決定していきます。Phase Iのなかでも、はじめて人体に投与される薬剤を用いる試験は、FIH (First in human) 試験と呼ばれ、All comer(特定のがんや臓器に対象を絞って開発を行わない試験)で施行されることが多く、頭頸部がん、肺がん、乳がん、消化管がん、肝臓・胆道・膵臓がん、婦人科がん、泌尿器がん、肉腫など、幅広い悪性腫瘍が対象となります。このため、単一の診療科で実施するのではなく、臓器横断的に治験を管理できる体制で臨むことが重要となります。また、各科の医師、看護師、治験コーディネーター(CRC)、薬剤師、検査技師などの多職種のチーム体制で密に情報を共有しながら治療を行うことが必要となります。新規治療開発科の設置により、臓器横断的な早期治験の窓口は一本化されます。新体制は、呼吸器内科、消化器内科、婦人科、皮膚科などの10診療科の医師14名、および臨床試験コーディネーターや薬剤部、病理検査室、画像診断室や看護部門が関わり、専用病棟には薬物療法認定看護師を複数配置する体制でスタートします。なお、特定のがん種が対象となる第Ⅰ相試験は、従来通り、各々の診療科で継続して実施します。

 当センターは、2014年1月に開始したプロジェクトHOPE研究をはじめ、2020年4月には、がんゲノム医療中核拠点病院に指定されるなど、ゲノム医療の推進に力を入れています。新規治療開発科の設置により、今後もがんゲノム医療に結び付く新規薬剤の治験や臨床研究を実施し、我が国のがんゲノム医療の発展および普及に貢献していきたいと考えております。

 

【説明会の概要】

1 名称 「新規治療開発科 説明会」
2 開催日時 2024年3月29日(金)15:00~16:00
3 開 催 場 所 ZoomによるWEB配信
4 対 象 者 製薬企業、医薬品開発業務受託機関(CRO)
5 プログラム

・開会のことば      副院長 安井 博史
・あいさつ        総 長 上坂 克彦
・概要説明       村上 晴泰
・病棟師長あいさつ   柳田 秀樹
・質疑応答
・閉会のことば    病院長 小野 裕之

 


●プレスリリース
~製薬企業、医薬品開発業務受託機関(CRO)向け~
新設した「新規治療開発科」に関する説明会を開催します(PDF:329KB)

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 静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
  電話:055(989)5222(代表)

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