一般社団法人Japan Cancer Database設立について ~多施設の統合がん臨床データ活用により迅速な医薬品開発に貢献~
2026年8月25日
公益財団法人がん研究会
愛知県がんセンター
静岡県立 静岡がんセンター
地方独立行政法人東京都立病院機構 がん・感染症センター 都立駒込病院
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター
地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター
独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)*1第3期の課題「統合型ヘルスケアシステムの構築」*2において、公益財団法人がん研究会 有明病院(病院長:佐野武、所在地:東京都江東区、以下、がん研有明病院)が進める、テーマB-1「がん診療についての統合的臨床データベース(以下、統合がん臨床データベース)の社会実装」に、愛知県がんセンター*3、静岡県立 静岡がんセンター*4、地方独立行政法人東京都立病院機構 がん・感染症センター 都立駒込病院*5、地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター*6、地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター*7、独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター*8の6施設が参画し、2026年3月31日、一般社団法人Japan Cancer Databaseを設立しました。
「統合がん臨床データベース」はがん研有明病院において、電子カルテや部門システム等の様々なデータベースに分散したがん診療情報を自動的・半自動的に取り込み一元管理する仕組みとして、2017年から独自開発を行ってきました。本データベースによって院内のデータ管理だけでなく、製薬業界との連携により効率的かつ迅速な医薬品開発への応用が期待されることから、内閣府SIP第3期において、中核的ながん専門医療機関との連携を進め、多施設統合がん臨床データベースを構築し、社会実装を目指して参りました。
このたび本法人設立により、「統合がん臨床データベース」を国内有数のがんセンターに導入または診療データを連結することで「多施設連携統合がん臨床データベース」(以降「多施設連携統合DB」)を構築し、ドラッグ・ラグ問題の重要課題である症例登録環境を改善し、グローバル開発の潮流に乗った薬剤開発のイノベーションを通じて、日本の患者さんが速やかに新薬に触れられる機会の拡大を目指します。また、多施設連携統合DBによって日本のがん領域におけるデータベース研究の発展や、日本発となる医薬品・医療機器開発への活用を目指して参ります。
■社会的背景
日本は医薬品開発において「ドラッグ・ラグ」「ドラッグ・ロス」という深刻な課題を抱えています。米国や欧州で承認された新薬が日本で使えるようになるまでに時間がかかったり、そもそも国内で開発されなかったりする状態が年々悪化しております。
この問題の背景には日本特有の薬事規制や薬価制度に加えて、グローバル治験における治験実施施設の症例登録力の弱さがあり、数・スピードともにアジアの他国の半分以下にとどまっています。そのため施設ごとに症例登録を効率化し、治験環境そのものを最適化することが求められています。
「多施設連携統合DB」を活用すれば、これまで数週間かかっていた治験症例のフィージビリティ調査を数十秒に短縮でき、症例登録を含めた治験プロセス全体の効率化に加え、アカデミアによる臨床研究や医師主導治験の活性化を通じて、日本発の新薬開発が促進されることが期待されます。
■法人概要
| 名称 | 一般社団法人 Japan Cancer Database(略称:JCD) |
| 設立日 | 2026年3月31日 |
| 役員 |
代表理事:佐野 武(公益財団法人がん研究会有明病院 名誉院長) |
| 会員 | 正会員:公益財団法人がん研究会有明病院、愛知県がんセンター、地方独立行政法人東京都立病院機構 都立駒込病院、静岡県立 静岡がんセンター、地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター、地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター、独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター*9 |
| 主な事業内容 | 多施設のがん診療情報(多施設連携統合DB)の維持管理 多施設連携統合DBを活用した医薬品開発支援、臨床研究の支援、医療機器開発支援 |
| 設立目的 | ①内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の支援下に開発を行ってきた「統合がん臨床データベース」を国内のがんセンターに導入または連携することで、日本のがん診療情報データシステムの基盤となる多施設連携統合DBを構築し、企業との連携による知識発見と医薬品提供・医療提供の自律的循環の枠組みを構築する。 ②製薬企業・医療機器開発企業と連携して統合DB利活用により、ドラッグ・ラグ問題の重要課題である症例登録環境を改善し、グローバル開発の潮流に乗った薬剤開発のイノベーションを通じて、日本の患者さんが速やかに新薬に触れられる機会の拡大を目指します。 |
*1 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とは
内閣府に 設置された総合科学技術・イノベーション会議(CSTI) が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトです。真に重要な社会的課題や、日本経済再生に寄与できるような世界を先導する課題に取り組んでいます。
各課題を強力にリードするプログラムディレクター(PD)を中心に産学官連携を図り、基礎研究から実用化・事業化、すなわち社会実装までを見据えて一気通貫で研究開発を推進しています。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー) – 科学技術・イノベーション – 内閣府 (cao.go.jp)
*2 SIP第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築」ホーム|国立健康危機管理研究機構(jihs.go.jp)
*3 愛知県がんセンター 総長:丹羽康正、病院長:山本一仁、所在地:愛知県名古屋市
*4 静岡県立 静岡がんセンター 総長:上坂克彦、病院長:小野裕之、所在地:静岡県駿東郡長泉町
*5 地方独立行政法人東京都立病院機構 がん・感染症センター 都立駒込病院 病院長:戸井雅和、所在地:東京都文京区
*6 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 病院長:大植雅之、所在地:大阪府大阪市
*7 地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター 病院長:酒井リカ、所在地:神奈川県横浜市
*8 独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 病院長:森田勝、所在地:福岡県福岡市
*9 一部の正会員については、後日正式な入会手続を行う予定です。
お問い合わせ
公益財団法人がん研究会 広報課
Tel: 03-3570-0775 Mail:ganken-pr@jfcr.or.jp
●プレスリリース
一般社団法人Japan Cancer Database設立について~多施設の統合がん臨床データ活用により迅速な医薬品開発に貢献~(PDF:940KB)



