静岡がんセンターの内藤立暁医師、 国際がんサポーティブケア学会(MASCC)の理事に就任
2024年7月31日
静岡県立静岡がんセンター
がんに対する支持医療の学際的な国際組織である国際がんサポーティブケア学会(以下、MASCC※1)の年次総会が6月にフランスのリールで開催され、静岡がんセンター 支持療法センター長の内藤立暁医師が理事に選出され就任しました。MASCCは1990年に設立され、およそ70か国2100人以上の会員で構成され、がん患者の診断から終末期ケアに至るまで支持療法を継続的に改善することを目的とした学術団体です。理事選出にあたっては、オーストラリア、カナダ、イタリア、日本、メキシコ、フランス、米国、オランダ、ギリシャから17名が立候補し、全会員の総選挙で選出されました。アジア圏では日本のみから医師2名(内藤医師を含む)が選出され、理事13名が確定しました。内藤医師は、MASCCのなかで最も歴史の長い専門部会の一つである「栄養と悪液質部会」の副議長を2020年から務めています。本専門部会では、各国の研究者と連携し、アフリカの医療者を支援するフェローシッププログラムも推進しています。
内藤医師は、今年5月に一般社団法人日本がんサポーティブケア学会(以下、JASCC※2)の理事、ならびに国際委員会の委員長にも就任し、JASCCとMASCC、そして韓国のKASCC(2024年設立※3)との連携に尽力しています。今後はさらに中国、インドなどのアジア圏への支持医療の啓発や教育、協力関係の拡大を計画しています。
支持医療(サポーティブケア)は、がんに関連した症状や、がん治療(手術、放射線療法、薬物療法など)による副作用・合併症・後遺症などを予防・軽減するための治療やケアのことであり、患者さんのQOLや生存率にも影響する重要な医療です。なかでも内藤医師は、がん治療中の体重減少や食欲不振により足腰が弱まってしまう「がん悪液質」の病態解明とその改善に向けた臨床研究を活発に進めています。
※1 MASCC: Multinational Association of Supportive Care in Cancer(本部:カナダ、理事長:Florian Scotte氏、フランス GUSTAVE ROUSSY病院
※2 JASCC: Japanese Association of Supportive Care in Cancer(本部:東京、理事長:山本信之氏、和歌山県立医科大学)
※3 KASCC: Korean Academy of Supportive Care in Cancer(本部:ソウル、理事長:Junghun Kang氏、Gyeongsang National University)
●内藤立暁(ないとう・たてあき)医師からのメッセージ
がん治療の進歩によって、がんとともに達者に長生きする患者さんが増えています。支持医療は、副作用を軽減し、がんとの共存を助け、患者さんとその家族を支えます。そのためには医師だけでなく、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、心理療法士、ソーシャルワーカーなど多職種の連携が必要です。このたび静岡がんセンターの支持医療と研究活動の高い品質が国際的に評価され、大変光栄です。静岡から世界へ、支持医療の輪をどんどんと広げてまいります。
●プレスリリース
静岡がんセンターの内藤立暁医師、 国際がんサポーティブケア学会(MASCC)の理事に就任(PDF:358KB)
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