使用期限切れの手術器具を使用したことに関するお詫び

2021年4月28日

使用期限切れの手術器具を使用したことに関するお詫び

 当院で臨床試験として行ったロボット支援下結腸切除術において、使用期限切れの2種類の手術器具を使用していたことが3月8日に判明しました。調査・検証の結果、臨床試験のために製造業者から提供された手術器具の取り扱いについての管理手順が定められていなかったこと、および使用期限を確認すべきポイントでチェックされずにいたことが主な原因と考えています。患者さんをはじめ、関係の皆様にご迷惑・ご心配をおかけしましたことについて、お詫び申し上げます。

 この手術器具は、ロボット支援手術で使用する①トロカールスリーブリデューサ、②体内固定用組織ステープルの2種類です。①のトロカールスリーブリデューサは、直径12mm程度の筒状の器具(ポート)から体腔内に鉗子などを出し入れする際、ポートの内側に装着し、穴の径を調整するために一時的に使用される全長16㎝程度の手術器具です。手術終了後は体腔内には残りません。②の体内固定用組織ステープルは、自動縫合器(腸管を切断したり腸管同士をつなぐ器具)に用いるカートリッジで、カートリッジ内部にあるホッチキスの針状のものが切離・縫合部に残ります。今回、①については、使用期限が2020年6月30日のものを、2020年7月1日から2021年2月1日までの間に当該手術を受けた患者さん14人のうち最多で11人に、②については、使用期限が2021年1月31日のものを、2021年2月1日の手術において1人の患者さんに使用した可能性があります。

 使用期限とは、無菌性の維持を保証する期限です。院内に残っていた使用期限切れの①②各5本ずつについて第3者の検査機関に無菌試験を委託したところ、全てに期限後も無菌性が維持されているという結果でした。期限切れ製品が使用された可能性のある患者さん全員が既に退院しておられましたが、入院中および退院後の経過を再調査し、感染性の合併症を発症した方は1人もいないことを確認しました。

 患者さんに感染性合併症を起こすリスクは極めて低いと考えますが、今回こうした事態が起きたことを重く受け止め、公表することにいたしました。今後は、再発防止に努め、最善で適切な医療を提供すべく、職員一丸となって努力して参ります。

静岡県立静岡がんセンター
病院長 上坂克彦


●プレスリリース
 ・使用期限切れの手術器具を使用したことに関するお詫び(PDF:145KB)
 ・(資料編)使用期限切れの手術器具を使用したことについて(PDF:150KB)

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