公益財団法人日本対がん協会“朝日がん大賞”の受賞
【要旨】
静岡がんセンターでは開設以来、積極的に患者・家族の支援に取り組み、がんよろず相談、患者図書館、患者・家族集中勉強会、研究所患者家族研究部、患者・家族支援のウェブサイトの構築など、全国的にも注目される活動を続けてきました。このうち、“がんよろず相談”は、厚生労働省によって指定された約400箇所のがん診療連携拠点病院の相談支援センターのモデルとして、全国の施設にノウハウを提供してきました。このたび、“がんよろず相談”の10年の活動が評価され、公益財団法人日本対がん協会より、朝日がん大賞(第12回)を受賞いたしました。団体として受賞したのは2件目、患者・家族支援の取り組みについて評価された事例は、全国初の受賞です。表彰式は、がん征圧全国大会(9月14日・高松市)で行われます。
1.受賞者名:
静岡県立静岡がんセンター「がんよろず相談(相談支援センター)」
2.「朝日がん大賞」について:
日本対がん協会の特別賞として、朝日新聞社の協力を得て平成13年に新設されたもので、がんの予防・検診・治療に役立つ研究を対象に授与している、権威のある賞の一つです。
3.公益財団法人 日本対がん協会について
がんの早期発見や早期治療、生活習慣病の改善により「がん撲滅」を目指し、昭和33年に設立。東京を除く46都道府県に提携団体をもち、全国でがん征圧運動を展開。
4.近年の受賞者
年度 | 都道府県 | 受賞者名 | 所属または代表者 | 業績 |
---|---|---|---|---|
23 | 福島 | 山下 俊一 | 福島県立医科大学副学長 (長崎大学教授) |
放射線被曝と小児甲状腺がんの研究実績が評価された |
22 | 東京 | 津金 昌一郎 | 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長 | 大規模疫学調査「多目的コホート(JPHC Study)」などがん予防研究の推進 |
21 | 北海道 | 浅香 正博 | 北海道大学病院病院長 | ヘリコバクター・ピロリの除菌による胃がん予防に関する研究の推進 |
20 | 東京 | 癌研有明病院 | 院長・中川健 | 患者を中心とした臓器別チーム医療から緩和医療に至る全人的な診療態勢を構築 |
19 | 東京 | 森山 紀之 | 国立がんセンターがん予防・検診研究センター長 | 人体の様子が詳しくわかるらせんCTの開発に企業と協力して取り組む |
5.「がんよろず相談」について
静岡がんセンターは、平成14年9月の開院以来、“患者さんの視点の重視”を基本理念に掲げ、“患者さんと家族を徹底支援する“ことを患者さんへの約束として宣言しています。これを具現化したものとして、患者さんやご家族からのがんに関するさまざまな悩みや不安等に対応する「よろず相談」を院内の立ち寄りやすい場所に設置、プライバシーが確保出来る個室を整備し、年間約12000件の電話相談や対面相談に応じています。坂口力前厚生労働大臣や故山本孝史議員(民主党)、県内外の議員や行政関係者等がよろず相談の取り組みを視察され、がん対策基本法(平成18年閣議決定)に設置が義務づけられた相談支援センターは、静岡がんセンターのよろず相談がモデルになりました。このよろず相談の取り組みは、患者図書館・患者サロン、市町村へ出向いて行う出張よろず相談、がん治療を上手く乗り越えるための情報提供冊子やウェブコンテンツの作成、企業との共同研究による製品開発等とともに、患者・家族を支えるさまざまな取り組みの一つに位置づけています。
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※本件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
静岡 県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当 TEL 055(989)5222