新たな認定看護師教育課程(B課程)の開講について

新たな認定看護師教育課程(B課程)の開講について

2019年12月2日
静岡県立静岡がんセンター

  静岡がんセンターは2009年より10年間、ケアのニーズの高いがん領域5分野の認定看護師を育成し、総勢475名の認定看護師を全国に輩出してきました。5分野に共通するがん看護の教科目や演習などを合同で学び、各々の専門性だけでなく、多角的な視点を学べる全国で唯一の認定看護師教育機関です。

 近年、日本は超高齢化に伴う多死社会を迎え、医療現場では看護師に求められる役割が大きく変化し、医師の包括的な指示のもと、迅速に病態判断を行い、症状に合わせた対処や症状緩和をタイムリーに実践できる看護師が求められる時代となりました。そのため、当院の認定看護師教育課程は、1年間の準備期間を経て、厚労省より特定行為研修※1を行う研修機関の指定(8月22日)、および日本看護協会から新たな教育課程の承認(11月20日)を受けたため、2020年度より認定看護師教育に特定行為研修を組み込んだ教育プログラム(B課程)を開講いたします。B課程認定看護師教育の特徴は、従来の認定看護師教育に加え、その分野に必要な特定行為研修を、1年間で同時に学び修了することができます。

 例えば『乳がん看護』分野には下記の表にある【栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連】と【創部ドレーン管理関連】の2つの特定行為研修が組み込まれます。乳がん手術後は手術創の皮下にドレーン(浸出液を排出するための管)が挿入されます。今後、本研修を修了した乳がん看護認定看護師は、医師不在であっても手順書を基に病状・症状から判断し、創部のドレーンを抜去するという、診療の補助行為が可能となります。また、同時に患者さんの仕事や生活環境などを踏まえて、日常生活を送る上での動作や服装の工夫、あるいは注意することや合併症の予防対策など、個々の患者さんに応じたケアやアドバイスを行うことが可能となります。医師の業務負担の軽減もさることながら、患者の負担も軽減し、より質の高い看護ケアと予防的ケアの視点で迅速に介入することが可能となります。

 本教育課程は、専門性の異なる分野の研修生と交流しながら学んでいるからこそ、違う視点、協働することの重要性を研修中から修得できるのが最大のメリットであり、資格取得後の臨床現場では、協働する多職種チーム医療を実践するにあたり、お互いの専門性を認め、より柔軟な考えで医療が提供できるスペシャリストが育成できると確信しています。

 ※1 特定行為:医師の判断を待たずに、手順書により一定の診療の補助を行うことであり、2015年に法律で定められました。 

〇当院の「B課程認定看護師教育」の専門分野と特定行為の内容HP用図(専門分野と特定行為研修)

※本リリースに関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
  
静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
    電話:055-989-5222 

  プレスリリースはこちら → ico_pdf (PDFファイル:185KB)

カテゴリー

カテゴリー