「患者家族支援センター」新体制で活動開始 報道機関向け内覧会開催
2017年6月27日
静岡県立静岡がんセンター
静岡がんセンターでは、はじめて受診される方が、通院・入院・自宅療養などの面で安心して暮らせるよう、最善の治療とケアに加え、患者・家族の支援に向けて積極的に取り組んでいます。がんを抱えながらも、いつもと同じ生活を続けるためには、身体の状態に合わせて起こりうる副作用の情報や経済・暮らしの情報などを把握しておくことが有効です。これまで、当院では患者家族支援センター(2012年4月設置)が外来患者さんの状態を把握し羅針盤となってよろず相談、化学療法センター、支持療法センター、緩和ケアセンターの4大センターへナビゲートしてきました。
今回、がん治療を上手く乗り切るため、あるいはがんと上手に付き合うために必要な情報提供やケアを強化する目的で患者家族支援センターを拡充し、我々が目指す患者家族支援センターの最終像が完成しました。患者さんへの情報提供をAVやIT技術を用いて行うほか、相談室を増設し、さらに、勉強会や地域の医療関係者等とのミーティングにも活用できる中待合のフリースペースを設けて、患者さんとご家族をサポートする場と体制を充実させました。
新体制の患者・家族支援センターでは、「第3期がん対策推進基本計画」の主旨である「がんとの共生」を実現するため、患者さん一人ひとりの悩み・負担の四本柱である「診療の悩み」、「身体の苦痛」、「心の苦悩」、「暮らしの負担」をしっかりと受け止め、がんと共に生きるために必要な患者家族の支援拠点として活動して参ります。
7月3日からの新体制での運営に先立ち、下記の要領で報道機関向けの内覧会を実施いたします。
内覧会概要
1 | 開催日 | 2017年6月30日(金)15時00分~16時30分 |
2 | 場 所 | 静岡がんセンター 病院2階 患者家族支援センター |
3 | 内 容 |
① 患者家族支援センター拡充についての説明 患者家族支援センター長 鶴田清子 ② 見学・撮影 |
新体制の患者家族支援センターについて
1) 新体制概要
(ア) 安心して治療を受けられるよう、年間およそ1万人の初診(診療科初診を含む)の方全員に初診の流れの説明とともに、治療を上手に乗り切るための説明を行う(1時間程度)。
(イ) 入院前に行う支援では、術前の予防リハビリテーション、口腔ケア・呼吸ケア・栄養サポート・経済サポートの実践、高齢患者さんの退院調整に必要な情報収集と多職種のスタッフでの情報共有によりスムーズな転院・在宅療養への支援などを行う。
(ウ) 多目的に利用できるフリースペースを設け、少人数での栄養指導(調理体験)や勉強会などを実施。
2) 改修施設
改修前 | 改修後 | |
延床面積 | 117.43㎡ | 326.03㎡ |
設備 | 問診室:5室 ビデオ室:1室 |
問診室:5室 |
3) 配属スタッフの看護師数
役 割 | スタッフ |
初診問診 | 看護師10名(うち、がん看護専門看護師1名) |
入院前支援 (術前オリエンテーションなど) | 医療事務 5名 |
外来患者カウンセリング | 看護師3名(うち、がん看護専門看護師2名、がん性疼痛認定看護師1名) |
緩和ケアセンター | 看護師4名(うち、がん看護専門看護師1名、緩和ケア認定看護師3名)、医師・臨床心理士・薬剤師 |
地域医療連携 | 看護師1名(がん性疼痛認定看護師)、事務1名、医療事務10名 |
在宅転院支援 | 看護師3名(うち、訪問看護認定看護師1名)、MSW2名、事務1名 |
新体制での運用開始にあたってのコメント(患者家族支援センター長 鶴田清子(看護師))
患者家族支援センターを設置して5年目を迎えますが、がん患者さんの状況はより複雑化しています。認知症である夫の介護をしながら抗がん剤治療を受ける高齢の妻や、一人暮らしの高齢患者さんの介護に悩む息子さんなど、治療を継続することが困難と判断されるような患者さんやご家族からの相談が5年前に比べて多く見受けられるようになりました。これからは、患者さんのみならずご家族も『お世話され上手』になり、周囲の力を上手にかりるすべを身につけることが必要です。私たちは、患者さんとご家族の気持ちに寄り添い、通院・入院・退院後の生活の不安や負担が軽くなるように支援をしていきます。
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静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当 TEL 055(989)5222
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